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【格闘技】

河野「2回か8回がチャンス」

2016年12月30日 紙面から

計量を終え、ポーズを決める井上尚弥(右)と河野公平=千代田区のホテルグランドパレスで(北田美和子撮影)

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 ダブル世界戦(30日、東京・有明コロシアム)の計量が29日、東京都内のホテルで行われ、出場4選手がすべて一発でクリアした。「怪物」の異名を取るWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23)=大橋=に挑む元WBA同級王者・河野公平(36)=ワタナベ=は、この日初めて作戦を明かし「2回と8回がチャンス」と、大番狂わせ策を披露した。また、同ホテルでは東京・大田区総合体育館で31日に行われるダブル世界戦の調印式も行われ、再戦で王座返り咲きを狙う前WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(37)=ワタナベ=が改めて意気込みを見せた。

 小さなおにぎり2つと、鶏のささ身、卵焼き、かぼちゃ、ウサギに切ったりんご。芽衣夫人が心を込めた減量明け用のお弁当を味わう河野の口から、隠し続けてきた作戦が明かされた。

 「狙うのは混戦にすること。井上君(のボクシング)は距離がきれいなので、詰めてやりにくくしていけば右が当たる可能性が高くなる。チャンスは距離感がつかめる前の2回か、8回」

 対戦が決定して以来、作戦を尋ねられるたびに「当日を楽しみにしておいてください」とはぐらかしてきた。怪物・井上尚を「全階級を通じて最強最高の選手」と、誰よりも認めているからこそだ。だが、試合まで約24時間となり、王者陣営に対策の時間もなくなると読んだか、とうとうプランを明かした。

 調整はきわめて順調だった。朝の時点で200グラムアンダーだったため、ちょうどその分の水分を取ってから家を出て、はかったようにリミットきっかりで計量をクリア。プロ42戦を戦い抜いてきたベテランらしい余裕ぶりだった。

 「いよいよ明日か、という気持ちです。粘り強いボクシングを見てください」。昨年10月の亀田興毅戦など、不利の予想をくつがえした経験は何度もある。誰よりも粘り強い36歳は、秘策を胸に生涯最大の試合に臨む。 (藤本敏和)

 

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