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2016-12-30

3巻の壁を越えて本が出せるライトノベルレーベル


ラノベは昔と比べてアニメ化やコミカライズ化が増える嬉しい動きがある一方で、人気の無い作品が早期に打ち切られる悲しい動きも見られます。最近は3巻打ち切りどころか2巻で打ち切られるなんて意見も聞きますが、打ち切り決定の時期はレーベルによって差が見られ、3巻の壁を超えて綺麗に幕を閉じる作品が多いレーベルも中にはあるんですよね。そうしたラノベの現状を考える為に今年刊行されたラノベを巻数別に分けたグラフを作成しました。

グラフはオリジナル作品の現状を知る目的からゲームやアニメのノベライズは除外、巻数は本編と短編集と一部の外伝を併せた数字にしています。一部の外伝は本編のメインキャラが主人公の作品と定義、具体的には「はたらく魔王さま!0」や「この素晴らしい世界に爆焔を!」を指します。まあこの辺の細かい条件は適当にしたところで、グラフの見た目には殆んど影響しないので気にしないでいいです。

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市場のリーダーとチャレンジャーの立場にある電撃文庫とMF文庫は人気が出れば高確率でアニメ化される夢のあるレーベルですが、内部での競争が厳しく頻繁に打ち切られてしまい3巻未満の作品が過半数、この中の半分位は未完結のまま放置されて消えてしまいます。

電撃文庫でその厳しい競争を生き延びた最近の作品は「マンガの神様」や「いでおろーぐ!」などの新人賞受賞作品、「ドウルマスターズ」や「青春ブタ野郎」などのアニメ化作家の新作に集中していますね。それ以外の若手作家や中堅作家は執筆の意思があっても4巻まで出せる確率は1割もあるかないか。個人的に電撃文庫はアニメ化作品が完結する前に新作を書かせてファンを取り込み稼ぎつつ、新人賞に注力して未来のアニメ化作家を育てようとしているように見えます。

それが本当だとしたらラノベ作家志望者にはそこそこ優しい場所なのではないでしょうか。特に小説家になろうで評価されない系統の作品を書いていて、出版社から書籍化の声がかからない人達には都合が良さそう。少なくとも大手レーベルで体力があるにも関わらず、新人賞受賞作品を簡単に打ち切るMF文庫と比較したら好条件だと思います。

MF文庫が新人賞を重視していないのか、偶然新人賞受賞作品が売れないだけなのかは分かりませんが、大成功した作品は電撃文庫やファンタジア文庫と並べると少ないですよね。MF文庫の規模で新人賞からアニメ化作品がもう5年以上も出ていない事は意外でした。

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オーバーラップ文庫で3巻まで刊行された作品における小説家になろう作品の割合はおおよそ8割。ちなみにその8割に含まれていない作品はアニメ化もした「灰と幻想のグリムガル」と新人賞を受賞した「戦華の舞姫」。グラフを見る限りは打ち切りも少ない風に見えますが、小説家になろうに属さない作品が1巻で打ち切られている事を考慮すると、オーバーラップ文庫は小説家になろうで書いてる人以外に向きません。

GA文庫も電撃文庫と同様にアニメ化作家のほぼ全員に同時平行して新作を書かせています。ただしこちらはアニメ化まで到達する見込のある作品はまだ「りゅうおうのおしごと!」以外には無い様に見えます。

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ゲームのノベライズを除外すると2巻以下の作品が8割にもなるファミ通文庫は、物語が開幕と同時に閉幕する確率が極めて高いので、続巻やアニメ化は期待しない方が賢明なのではないかと思えてなりません。

ファミ通文庫に対しては「廃皇子と獣姫の軍旗」でイラストレーターが誤って提出した未完成のイラストをそのまま挿絵に使用した事など良い思い出が無いんですよね。挿絵に問題があると発覚したならせめて電子書籍版は修正して欲しい。

今年のスニーカー文庫は数年前に完結した名作「サクラダリセット 」が実写映画化とアニメ化決定、一度は打ち切られた「終末なにしてますか?」が口コミで話題となって奇跡の復活からアニメ化決定と誰も予想しない展開を見せました。

新妹魔王の契約者」や「 魔装学園H×H」などのエロ系の作品に注力したかと思ったら、突然真逆の方向で攻めるスニーカー文庫は評価に悩みます。スニーカー文庫はカクヨム作品の書籍化も進められていますし、今後数年は何が起きるか分からないレーベルなので先が楽しみ。ところで「ラストエンブリオ」と「東京侵域」の新刊は何時になったら発売するのでしょうか。

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漫画が打ち切られる場合は不恰好でも物語の幕は一応閉じられるものですが、ラノベが打ち切られる場合はそれすらさせてもらえずにただ続巻が出ないだけ。ラノベにはその様な悪い意味での終わらない物語がとても多いです。そうしたラノベが世の中に溢れる中、5巻まで刊行され綺麗に完結する作品の比率が高いガガガ文庫。先程のファミ通文庫のグラフとは中身が全然違いますね。

今年完結した「不戦無敵の影殺師」はエピローグまで丁寧に描かれ、あのテーマで見たい内容は十分見せてもらえたので、読者的にはもう何も思い残す事は無いです。角川に属さないガガガ文庫はメディアミックスには期待が出来ませんが、人気作品を無駄に薄めて引き延ばしませんし、多種多様な作品を受け入れる素晴らしいレーベルだと思います。

不戦無敵の影殺師7 (ガガガ文庫)

不戦無敵の影殺師7 (ガガガ文庫)

ファンタジア文庫が小説家になろう作品を連続して書籍化した時は不安を感じましたが、それ以降は書籍化は落ち着き自分達で作品を育てる方向に進んでいます。電撃文庫とMF文庫の新作が過酷な競争で殆んど消えてしまうのに対して、ファンタジア文庫は「アサシンズプライド」や「いづれ神話の放課後戦争」や「できそこないの魔獣錬磨師」など5巻を越えた層が厚い。

それもアニメ化作家や小説家になろう作家と特定の人達だけが続いている訳では無いんですよね。「リゼロ」や「このすば」みたいな大成功しそうな作品が少なそうなので、編集者の立場では望ましい状態とは言えない気はしますが、作者と読者の立場では理想的な状態にあると言えると思います。ただこれが再来年まで維持されているかは分からないですけど。


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