と言っても私が4年前に上京した時にお別れした一軒家じゃなくて
そこに父と母と弟と妹の4人で住んでいる。
そして今はそこに帰省した長女の私もいる。
必然的にスペースを分け合わなければ眠れない。
弟は大学中退したDQNなのもあり、その横暴さを振りかざして一つの部屋を独占している。
8畳の部屋に父と母と妹と私で2つの布団を分け合って寝ている。
と、いうのが理想。
現実は「仕事で疲れているんだ」といって父が一つの布団を使って眠るので
共働きの母はほとんど毎晩リビングで布団を畳みながら寝落ちしているらしい。
たまに最後まで畳めて妹のお布団までたどり着けたときは一緒に寝ている。
でもそれも私が帰ってきたら妹の隣を私に譲ってくれる。
「まるでヤドカリだね」「言い得て妙」と言って笑いあえる家族なので
弟や父にモヤっとした不満は抱きつつも我が家を嫌いになりきれない。
弟が部屋で買っている亀は可愛い。
でも今年受験生の妹に勉強机がなくて、テレビを見ている父のん横でテキストを解いている姿とかみていると
普段の学生生活で友人の指輪に自分のトータルコーディネートの総額が負けたときとか
生活費のために働いているバイト先で(仕送りは当然なくて、奨学金は全部学費に回している)
「今日8万もお買い物しちゃった☆」って会話が蔓延っている休憩室に座っているときとかの
胸の下あたりを細い糸でキュッと結ばれたような惨めな気持ちを思い出す。
両親には「勉強机を買ってあげて」って春に言ったけれど、結局叶えられず。
私はせめてと思って妹に自転車を買った。
安物だけれど、これで図書館に行って勉強してほしいなと思って。
片道40分かかるけど、無理な距離じゃないし、父とテレビに挟まれて勉強するよりかはマシだろう。
「ありがとう」と言ってくれた妹を見ていると、
最寄り駅まで1時間ちょっとかかった家だったけど、借家の一階建てでボットン便所だったけど、
(惨めな思いはしつつも)貴重な体験がいっぱいできて、
(お金かかるからあまり満喫はできないけれど)読書以外の趣味も見つかって、
なにより素敵な友人たちができた。
ただ、私の家は結構な貧乏だってことや、20歳でデキ婚は当たり前じゃないってことなどに
気づかされたのは正直とても辛い。
私は来年そのまま東京に残って希望していた職に就くことになった。
そのことを伝えた時、両親はいつでも帰ってきていいよって言いながら泣いてくれた。
家族のことは大好きだ。本当にこの家の長女でとっても楽しいし幸せだと思う。
でも、お金はないのに物で溢れている家だとか、母が10年間ずっと着ている服だとか
実は黙っているけど結構な額の借金があることとか、東京までの往復費が出せなくて未だ一度も遊びに来てないこととか
友人は奨学金借りていないし仕送りももらっていることとか、お母さんの車はいまだにカセットなこととか
そういうのがただただ悲しい。
私に何ができて、どうすればいいのかも分からない。
最近は貧困問題がよく取り上げられていて、色んな人の声を聞く。
その中には想像も絶するくらい苦しい状況の人たちもいる。
でもだからって「自分は貧困じゃない」「まだマシだから弱音を吐いたらいけない」とは思えない。
何が言いたいのかまとまってなくてごめんなさい。
気の置けない友人たちにも言えない私のコンプレックスを酔いにまかせて吐き出したかっただけなんです。
私はこのまま東京に残って就職するけれど、いつでも帰ってきなさいと言ってくれる両親を裏切れるように頑張る。
せめて自分の子どもにはこんな惨めな思いをさせないように頑張りたいし、まずは結婚できるように恋人を作るところから頑張る。
結局どんな大学に入っても頑張らなきゃいけないことはなくならないし、
貧乏人の子供は悲惨だな。両親に感謝だ。