高校再編念頭に、意識共有
地域支える実業学校としての意義考える
三条商業高校同窓会
 2016年06月27日本紙掲載
伊藤会長 新潟県立三条商業高校同窓会の総会が、25日午後6時から、新潟三条市旭町二、ジオ・ワールドビップで開かれ、県の公立高校再編計画で岐路に立たされている商業、工業、農業などの実業高校の現状を踏まえ、同高校ならではの特性を生かして今後も「地域に欠かせない実業高校」を目指して同窓会としても協力していくことを誓った。

 前日に、兄弟校である県央工業高校の同窓会が同じ会場で開かれる珍しい年だったことから、2夜続けての参加となった伊藤寛一同窓会長はあいさつで、「少し混乱している」と冗談まじりに言いながら、同じ地域に人材を輩出する実業高校として「これからも一緒に地域の礎となって取り組む」と語ったほか、4月に行われた東京での同窓会が盛況だったことなどを紹介。「工藤(博利)実行委員長はじめ、実行委員のみなさんお疲れさまでした。場を提供してくださったビップさんにも感謝申し上げたい」とし、今後も同窓会活動に協力してくれるよう呼びかけた。

 大友康幸校長は、あいさつの冒頭で、同窓会の補助で購入した大型プリンターについて感謝の意を示し、「A4サイズの原稿も大きくプリントできるようになりました」と実際に会場に掲示された学校の活動報告が、その大型プリンターで出力したものであると紹介した。また、公立高校再編計画について、改めて「今は1学年5クラス200人規模で全校で583人がいます。しかし、平成30年度には1クラス減って4クラスになってしまいます。みなさんがいたころからちょうど半分。この三条市を中心とする地域も少子化で、同窓会の補助で購入した大型プリンターで出力周辺の学校も1学級ずつ減る。おそらく、これから県の高校の姿は大きく変わっていく。このまま私たちは、商業高校を守っていくのか、それとも『産業高校』に姿を変えてしまうのか」とし、同窓会に対して、今後も学校への支援を求めた。

 来賓祝辞では、県央工業高校同窓会から2夜連続となった佐藤卓之県議が、「きょうは女性の割合が多くなごやかな雰囲気。兄弟校で続けて同窓会をやるのは趣があり、印象に残りそうだ」と語り
 大友校長
 佐藤県議
 藤田県議
、県議会でも議論を呼んでいる高校再編計画に言及。今後も少子化に伴う高校入学者の減少は避けられないものであることを強調し「今後、15年先までは分かっています。それまでに相当数の県立高校で再編や統合が行われるだろうというところ」とする一方で、同高校では、商業クラブや書道部など部活動で積極的に地域と関わる活動を展開していることを評価し、「今後は、商業高校、県央工業高校に加え、加茂農林高校も加えて、商工、そして農の連携も始まると聞く。ぜひ、OBのみなさんにもご理解いただきたい」とした。

 藤田博史県議は、県内の実業高校の卒業生らが、国内生産現場で非常に高い評価を得ているとし、「これからも、みなさんのことを頭に置きながら高校再編に取り組んでまいりたい」と語ったほか、旧三条実業高校時代に在籍、身長2メートルを超える恵まれた体格を生かして、プロ野球選手となり、のちに日本を代表するプロレスラーとなった「ジャイアント馬場」こと馬場正平さんを名誉市民にする活動が市内で起こっていることを紹介した。

 議事では、昨年度の事業報告と決算報告、今年度の事業計画と予算を協議した。昨年度の決算は、収入支出ともにほぼ予算どおりの264万2704円。46万2300円を次年度に繰り越した。

 また、次年度の同窓会実行委員会は、昭和61年卒業生に委嘱することとなった。

 総会終了後には懇親会が開かれ、記念写真撮影のほか、アトラクションではOBによるバンド演奏が行われ、それぞれのテーブルでは、高校時代の思い出話に花を咲かせる姿が見られた。       (細山)