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【取材日記】大惨事呼ぶ機内での暴力行為、今度こそ根絶すべき=韓国
2016年12月29日13時30分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
大韓航空の機内でイム氏が暴れると、すぐに乗務員がかろうじて抑えている。(写真=フェイスブック) |
その中にはブラックリスト(問題の顧客名簿)を積極的に活用するという内容も入っている。リストに入った顧客のうち、特に問題が深刻な顧客に対しては最初から搭乗を断るという内容だ。これまで顧客に不快感を与えるという理由でブラックリストそのものをまともに認めなかったことに比べれば、破格の措置だ。実際に、大韓航空はイム氏の予約2件を断ったという。その上、男性乗務員を拡充して機内でテイザーガンも積極的に使うとした。遅れたが、歓迎すべき措置だ。実際、今まで航空会社は、機内で暴れる事件が起きるたびに、責任を認めるよりは「被害者」に成りすましてきたのが事実だ。会社は被害者で、司法当局の対応と処罰が弱くて機内での暴力行為が絶えないとの不満を吐露してきた。
しかし、外国の例などに比べてみれば、韓国の航空会社の対処があまりにも消極的であったという批判を免れ難い。明らかに問題がある乗客であることを知りながらも、搭乗を断ったり、あるいは搭乗は許しても酒の提供を禁じたりするような措置はほぼ取っていなかった。また、サービスという名の下で、男性乗務員よりは女性乗務員ばかりをもっと拡充した。そんな中、初動段階である程度減らせる機内での暴力行為に対応できなかったわけだ。大韓航空が大幅強化した機内安全対策を前面に出しているだけに、他の韓国の航空会社もここに注目する必要がある。そして、現在の対応体制を点検して補完する点などを是正しなければならない。ある特定の航空会社だけの努力で機内の安全が確保できるわけではないためだ。
もちろん、司法当局の役割はいくら強調しても足りないだろう。これまで機内で暴れる者に対する警察や検察、裁判所の対応は「温情戒め」式に終わってきた。機内で酒に酔って暴れても、一般の酒屋で暴れた人と変わらない措置を取ってきたのだ。しかし、機内での暴力行為はそれとは異なる性格を持つ。ややもすると飛行安全を害して大惨事を呼び起こしかねない、きわめて危険な行動だ。したがって、司法当局では、このようなことを警戒して機内で暴れる者を厳しく処罰しなければならない。その際、機内で暴れる者に対しては米国など先進国のように20年以上の懲役刑、さらには終身刑までも可能になるように法規定をより強化する方針も積極的に議論することが求められる。
飛行機は事故の割合からみると非常に安全な交通手段だが、空に浮いていることから小さい変数も安全に大きく影響を与え得る。機内で暴れるのが一例だ。乗客の安全のためにも、航空会社と司法当局が一丸となり、今度は本当に機内での暴力行為を根絶することを促したい。
ハム・ジョンソン 社会1部記者