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【特集】“頻発”地震の意味は… 新たな震源域とM9地震
更新:12/29 19:55
今年は地震が多かった印象がありますが、気象庁によりますと、今年震度5弱以上を記録した地震は福島沖や熊本・鳥取など32回(12月28日18時現在)。震度3以上を記録した回数では、平成で歴代3位の多さなんです。この多さは何を物語るのでしょうか。
4月、強力な破壊力を持つ震度7の地震が立て続けに起こった熊本県。地震を起こしたのは日奈久断層と布田川断層と呼ばれる2本の活断層。さらにMBSのカメラが捉えたのは…
「今回の地震で約2.5メートル下に道路が陥没したところです」(太田尚志記者リポート)
阿蘇山近くでは2メートルを超える地割れも見つかり、「未知の活断層」が動いた可能性も指摘されています。
10月には鳥取県中部で震度6弱の地震が発生。
「道路を見ますと、大きいところで段差が20センチほどあります」(三澤肇解説委員)
一連の地震は南北約10キロに集中していて、こちらも未知の活断層が動いた可能性があります。
京大防災研の西村准教授は、2つの内陸地震は南海地震の前兆だと指摘します。
「次の南海地震が今後数十年で起きるとすると、内陸の地震活動が増えていく。その一つが今回地震(鳥取地震)だったり、今年4月の熊本地震であったり」(京都大学防災研 西村卓也准教授)
西村准教授はGPSの観測データから、一枚のプレートと思われていた西日本が複数のブロックに分断されていると指摘。海側の大きなプレートが陸側にもぐりこむ力が内陸に伝播し、ひずみが集中するブロックの境界で地震が発生したとみています。
南海地震の震源にあたる紀伊半島沖約130キロの海域。名古屋大学の田所敬一准教授は南海トラフを挟む形で深さ3500メートルの海底に観測機器を設置し、地殻の動きを1センチの精度で監視しています。そして調査で、従来の東海、東南海、南海地震の3つの震源域に加え、その南側の新たなエリアが震源になる可能性を発見したのです。
「ここの観測点、南海トラフに非常に近い場所、西北西に年間4センチくらい動いてくるのがわかってきた。この紀伊半島沖でプレート境界の近くが歪みをためているというのがわかったのは初めて」(名古屋大学 田所敬一准教授)
最悪の場合、M9になることもある南海トラフ巨大地震は、桁外れの破壊力をもち、津波も巨大化する可能性があります。高知県・黒潮町。こちらの海岸では、高さ34メートルという巨大な津波が予想されています。
来たるべき、「南海トラフ巨大地震」。新たな震源域を含め地震が連動して発生すれば、その被害ははかり知れません。