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広島・真珠湾、点と線 オバマ氏「遺産」へ米側が打診

2016年12月29日 23時24分49秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE28H0D_Y6A221C1PP8000/?

広島・真珠湾、点と線 オバマ氏「遺産」へ米側が打診
2016/12/29 0:43日本経済新聞 電子版

 【ホノルル=吉野直也、地曳航也】安倍晋三首相とオバマ米大統領は27日(日本時間28日)、米・ハワイの真珠湾で慰霊した。7カ月前にはそろって被爆地・広島を訪問した。かつて太平洋戦争を戦った日米。両国は広島と真珠湾の2つの点を結ぶことで、強固な同盟関係を世界に訴えようと動いた。

 真珠湾訪問が急浮上したのは2015年4月。首相が予定していた訪米の直前だった。

 「ワシントンに来る前に真珠湾を訪れるつもりはないか」。打診したのは米国側だ。09年にオバマ氏が広島訪問に意欲を示してから既に6年近く。17年1月の大統領任期切れ前に、どうにかして政治的なレガシー(遺産)にしたい。米国内の反対論を抑えるには、まず首相の真珠湾訪問が必要と判断した。

 米国では第2次世界大戦末期の広島への原爆投下を「戦争終結を早めた」と正当化する意見が6割近くある。米大統領の広島訪問は謝罪とみなされ、その世論と逆行しかねない。なかでも退役軍人ら保守派の対応に頭を悩ましていた。真珠湾を先行させれば懐柔できるとの読みもあった。

 このとき日本側は拒否した。真珠湾訪問が広島訪問の「取引」とみなされることを嫌った。

 日米関係は微妙だった。13年12月の首相の靖国神社参拝に米国は「失望」声明で反発。14年4月のオバマ氏の訪日は国賓待遇だったが、ミシェル夫人が欠席し盛り上がりに欠けた。米政府内では首相の靖国参拝を察知できなかった国務省が批判され、ホワイトハウスが外交の主導権を握った。

 真珠湾訪問の発案は国務省だ。オバマ氏の広島訪問へ道筋をつけ、劣勢だった外交を巡るホワイトハウスとのパワーゲームで挽回を狙った。日本側の拒否でいったん下火にはなったが真珠湾構想はくすぶり続けた。

 再浮上したのは16年5月、オバマ氏の広島訪問時だ。真珠湾を経ずに広島を訪ねたことで、訪問はオバマ氏の「自発的な意思」と強調された。原爆投下についてオバマ氏が謝罪をしなかったことも、首相の真珠湾訪問へのハードルを下げた。

 広島と真珠湾は交換条件ではない。オバマ氏の退任までに首相が真珠湾を訪問する。日米では「暗黙の了解」ができた。2つの点を明確な「取引」でつなげば、歴史的な意義も薄れるためだ。

 ではいつにするのか。日米では2つの候補が挙がった。一つは11月、ペルーの首都リマで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議の前後。もう一つは、オバマ氏が毎年ハワイで休暇を取る年末だった。

 波乱要因が生まれた。11月の米大統領選で共和党候補、トランプ氏が勝利。日本側は民主党候補、クリントン氏の勝利を念頭に置いていたため慌てて対応せざるを得なくなる。首相はリマ訪問前に急きょ、トランプ氏とニューヨークで会談。この動きにオバマ氏側は露骨に不快感を示した。

 このままオバマ氏と感情的なわだかまりを残すと将来、米国で再び民主党政権が誕生した場合、日米関係のリスクにもなりかねない。

 11月20日のAPEC会場。着席ではなく立ち話になったオバマ氏との10分間の会談で、首相はオバマ氏が例年通りハワイで休暇を取ることを確認。12月26、27両日に真珠湾を訪れると伝えた。

 オバマ氏も自分の広島訪問と同じように「自発的」ということにこだわり、念を押した。「あなたにとって(真珠湾訪問は)強いられるものになってはならない」。広島と真珠湾、2つの点は見えない線で結ばれた。
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