カメラ性能を徹底比較!Moto Z / Modsカメラのココがすごい【Hasselblad True Zoom レビュー】
2016年10月中旬より販売開始された「Moto Z」、そしてその最大の特徴とも言えるのが背面拡張パネルの「Moto Mods(モト・モッズ)」です。
今回はそのMoto Modsの中から、スウェーデンのハッセルブラッド社との共同開発のカメラ拡張モジュール「Hasselblad True Zoom(ハッセルブラッド・トゥルーズーム)」をご紹介。実際の使い勝手にフォーカスしてレビューしていきます。
目次:
Moto Mods「ハッセルブラッドトゥルーズーム」とは
「Moto Z」および「Moto Z Play」は、「Moto Mods」と呼ばれる拡張モジュールを背面に装着することで、様々な機能を追加できるという男心をくすぐるギミックが搭載されています。
ラインナップとしては大きく分けて5種類。
かつて流行ったパナソニック製フィーチャーフォンP900iシリーズのカスタムジャケットを思い出させる、天然木・バリスティックナイロン・レザーの3種類の質感を着せ替えて楽しめる「Moto Style Shell」に始まり、JBLとコラボした背面スピーカー「JBL SoundBoost Speaker」、スマホがプロジェクターになる「Moto Insta-Share Projector」、ワイヤレス充電に対応した拡張バッテリー一体型カバー「Incipio offGRID Power Pack」。
そして今回紹介するハッセルブラッド社とコラボしたカメラ拡張モジュール「Hasselblad True Zoom」があります。
各種Moto Modsについての紹介はMoto Z Playのレビューで紹介しています。
Hasselblad True ZoomはMoto Z・Moto Z Play本体の背面に装着する拡張アイテムで、単体での使用は不可。まずは本体の外観からチェックしていきます。
Moto Zの背面下部にMoto Modsの外部アクセサリ接続用の端子がついており、Moto Modsを四隅のマグネットで吸着させた際にここで接続して連携するようになっています。
Hasselblad True Zoomを装着した状態では本体内蔵のカメラは完全に収まり無効化される仕様になっており、併用は不可。本体内蔵カメラを使いたい場合はHasselblad True Zoomを取り外す必要があります。
Moto Z本体はLEDフラッシュを搭載しているのに対し、Hasselblad True Zoomはより明るいキセノンフラッシュを搭載。暗いシーンでもフラッシュの照射で明るく撮影できます。
一般的のカメラのように物理ボタン半押しでオートフォーカス、ボタン周りのトリガーでズームが可能。スマートフォンでありながら本物のカメラの操作感で撮影できます。
Hasselblad True Zoomは他のMoto Mods同様に強力なマグネットでMoto Z本体に取り付ける仕組みになっていますが、外す際は下部の溝に指を入れて簡単に取り外しが可能。
レンズ部分は本体側でカメラアプリを起動すると連動して展開されます。このあたりの見た目はもはや本物のカメラそのものですね。
Moto Z内蔵カメラとHasselblad True Zoomは一長一短
Hasselblad True Zoomは10倍の光学式ズームとキセノンフラッシュを搭載しており、位置付けとしてはMoto Zのカメラを強化できる外部モジュール。ですが、細部を見ていくと実はMoto Zの内蔵カメラの方が優位に立つ点もあり、必ずしも全てのシーンでHasselblad True Zoomを使えば良い写真・動画が撮れるというわけではない事がわかります。
2つのカメラ性能を比較表にまとめてみました。
Moto Z | Hasselblad True Zoom | |
---|---|---|
画素数 | 1,300万画素 | 1,200万画素 |
f値 | 1.8 | 3.5〜6.5 |
フラッシュ | 相関色温度 (CCT) フラッシュ、デュアル LED | キセノンフラッシュ |
光学式ズーム | × | 〜10倍 |
デジタルズーム | 〜8倍 | 〜4倍 |
光学式手ブレ補正 | ○ | ○ |
HDR | ○ | × |
4K動画撮影 | ○ | × |
スローモション動画撮影 | ○ | × |
RAW撮影 | × | ○ |
スペックシートを見ていくとMoto Zの内蔵カメラは実はHasselblad True Zoomと比較して画素数が高く、レンズも明るいf値1.8のものを搭載。更に機能面ではHDRや4K動画撮影、スローモーション動画撮影にも対応しています。
Moto Z内蔵のカメラは2色のLEDフラッシュを搭載することで自然な色温度で照射できる一方で、Hasselblad True Zoomはキセノンフラッシュの搭載によりスマートフォン内蔵のフラッシュとは段違いの光量を確保。暗いシーンでの撮影にも対応しています。
また、Hasselblad True ZoomはJPEGだけでなくRAWでも保存可能。このオプションはMoto Modsを外すと選択できなくなっています。
【徹底比較】Moto Z内蔵カメラとMoto Modsはどちらがキレイに撮れるのか?
スペックシートで両者を確認したところで、今度は実際のシーンでどういった差が出てくるのか、作例を交えてピックアップしていきます。
今回はすぐに取り出して使うスマホでの撮影という事で、全て設定を変更しないオートでの撮影という条件で比較していきます。
※クリック/タップで大きいサイズで確認できます。
●暗所でクリスマスツリーを撮影
まずは暗所でのクリスマスツリーの撮影。両者ともにフラッシュを利用して撮影した例です。内蔵カメラで撮影したものはツリーの上部までフラッシュが届いていない一方で、Hasselblad True Zoomのキセノンフラッシュはツリー全体を非常に明るく照らしており、内蔵のLEDフラッシュとの差を見せつけた格好となりました。
続いて暗所でのズーム性能をチェック。まずはMoto Mods装着無しでシーンの確認。ここからMoto Z内蔵カメラでは8倍デジタルズーム、Hasselblad True Zoomでは10倍光学ズームをしてみます。
●暗所でズーム性能を比較
差は歴然。Hasselblad True Zoomの光学ズームはこれだけ離れていても被写体をクッキリと写す事ができました。
●薄暗いシーンで広角撮影
続いては薄暗いシーンでの広角撮影。Hasselblad True Zoomと比較するとMoto Z内蔵カメラは全体的に明るく、中央のフルーツの色が鮮やかに描写されています。今回はMoto Z内蔵カメラに軍配が上がりました。
切り抜いて拡大してみると、Moto Z内蔵カメラの方が明白にノイズが少ない事がわかります。
ただしズームした場合はやはり比較するまでもなく、光学ズームを搭載したHasselblad True Zoomが有利です。
●料理を接写
パスタを接写したところ、両者の写りに差が出ました。Hasselblad True Zoomの方がやや明るく写っています。この辺りは好みの領域になってくるかもしれません。
●逆光気味のシーンで撮影
公園にて逆光気味のシーンで撮影。Moto Z内蔵カメラは自動HDRが発動しています。手前のサッカーボールに注目して見ると、Hasselblad True Zoomの写真はやや白被りしている一方で、Moto Z内蔵カメラの方はボールがクッキリ写っており、色に深みが感じられます。
明暗差のあるシーンはMoto Z内蔵カメラの方が得意である事がわかります。
●緑と青空を撮影
同じく公園にて緑と青空を撮影。木と花、空の色を見るとやはりHasselblad True Zoomは色が白っぽく色あせている印象。広角の風景撮影は内蔵カメラが有利なようです。
●屋外で花を接写
花を接写したところ。Moto Z内蔵カメラはHDRがかかり色がビビッドに写っていますが、やや過度に強調され気味な印象。Hasselblad True Zoomの写真は色は相対的には薄いものの、自然な絵になっています。
Hasselblad True Zoomのズームレンズを使うと遠くの被写体に寄って背景をぼかすテレマクロ撮影もこのとおり。最近は一眼レフ”風”に背景をぼかせるアプリやデュアルカメラ搭載のスマートフォンも珍しくはなくなってきましたが、やはりスマートフォンの筐体で本物のレンズでこういった写真が撮影できるのはMoto Modsの本領発揮といったところ。
内蔵カメラではデジタルズームしたら劣化してしまうと躊躇していましたが、最大10倍の光学ズームのおかげで構図の自由度が上がります。ズームを構わず使えるようになるのはやはりHasselblad True Zoomの美味しいところ。
上記の作例では引いた地点から自転車にズームして切り抜くことで、通常スマートフォンでは物理的に寄っても歪みが発生して撮れない構図で撮れています。
サードパーティのアプリでも自在にズームが可能に
Hasselblad True Zoomを装着した状態での意外なメリットとして、ズームに対応していないサードパーティのアプリでもズームが可能になるという点があります。例えば動画のライブ配信アプリのツイキャスのAndroid版はズーム機能に対応していませんが、Hasselblad True Zoomを装着したMoto ZであればMoto Mods側の操作でズームが可能。動画実況で遠方の被写体を捉える事が可能になります。
外に出てツイキャスで動画配信をした事がある人であれば、被写体にズームしたいと思った事があるはず。Moto ZとHasselblad True Zoomを持っていれば、そういった配信も実現できてしまいます。
現時点でズームに対応していないAndroid版Instagramでもズームが可能。Hasselblad True Zoomで直接アプリ内で自由に構図を選んでInstagramのフィルタをかけられるのは他の機種には無い楽しさです。
続いては今回撮影した作例を参考に、それぞれのカメラが向いている撮影シーンをまとめていきます。
内蔵カメラ / Moto Modsはどんなシーンで使い分けるべき?
Moto Zの内蔵カメラは光学ズームにこそ対応していないものの、Hasselblad True Zoomと比べて明るいレンズを搭載しており、風景などのスナップショットを得意分野としています。また、光量が少なく、夜景のようにフラッシュが届かない被写体の場合もこの明るいレンズは有効。
●Moto Z 内蔵カメラが向いているシーン
・広角の風景
・夜景
●Moto Z 内蔵カメラが向いていないシーン
・ズームが必要な遠方の被写体
・明るいフラッシュが必要な暗い被写体
Hasselblad True Zoomは内蔵カメラと比較すると暗めのレンズなものの、強力な10倍光学ズーム、明るいキセノンフラッシュを搭載しています。遠方の被写体はもちろんのこと、中距離のブツ撮りで被写体にズームで寄りつつ背景をぼかしたり、構図を工夫したりと、活用する事で写真の幅が広がります。
カメラを利用したAndroidアプリであればどこでもズームできるため、今回紹介したツイキャスのような実況アプリでズームを活用したり、LINEのビデオ通話で遠くの物を相手に見せたりと、Androidスマートフォンならではの活用法を見出すのも楽しみ方のひとつです。
●Hasselblad True Zoom(Moto Mods)が向いているシーン
・遠くの被写体
・背景をぼかしたい被写体
・フラッシュが必要な近くの暗い被写体
・カメラを利用するAndroidアプリ
●Hasselblad True Zoom(Moto Mods)が向いていないシーン
・フラッシュが届かない暗い夜景
・フラッシュが使えない室内の暗い被写体
Moto ZとHasselblad True Zoomの価格
今回紹介したMoto Zはモバレコの運営する「スマホマニア」でも販売中。価格は、価格コム最安値の89,590円(2016年12月現在)を下回る一括81,412円とお買い得に購入できるため、購入を検討している方は必見。24回の分割払いも可能となっており、その場合は月々3,393円となっています。
Moto Zに比べスペックや価格が控えめになったミドルレンジモデル「Moto Z Play」は一括47,143円、24回の分割払いでは月々1,964円で購入できます。もちろんMoto Zと同様にMoto Modsを利用できます。
Moto Zの購入はこちら
Moto Zの販売価格
月々3,393円(分割24回)
一括81,412円
※税抜き価格になります
Moto Z Playの購入はこちら
Moto Z Playの販売価格
月々1,964円(分割24回)
一括47,143円
※税抜き価格になります
Moto Modsの購入はこちら
「Hasselblad True Zoom」は公式のmoto storeにて31,104円で販売中です。
●Moto Mods – Hasselblad True Zoomの購入・詳細はこちら
Hasselblad True Zoom Camera(ブラック)の商品詳細 | SYNNEX Infotec store
総評:写真好きなら絶対買っておきたい楽しいアイテム
特色ある2つのカメラですが、どちらが万能に上位互換というわけではなく、その特性を紐解くとまさに一長一短。撮れる写真の幅が広がるという意味では非常に面白いガジェットで、SIMフリーのAndroidスマートフォンであることの即座にシェアできるソーシャル性と、Hasselbladのズームレンズを活かしたカメラ性能を組み合わせて使えるのは、日々SNSに写真を投稿している方であれば必ず新鮮な刺激になるでしょう。
Instagramを中心に普段からSNSで写真を楽しんでいる筆者ですが、短いレビュー期間ながらついつい夢中で枚数を撮ってしまい、少し長めの記事になってしまいました。
普通のスマホでは撮れないような写真をSNSのタイムラインに並べたい写真好きのあなたには必見の一台です。
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