27日午前11時18分(現地時間)、米国のバラク・オバマ大統領と日本の安倍晋三首相が米ハワイ・真珠湾のアリゾナ記念館を一緒に訪れた。そして、75年前の旧日本軍による空襲で犠牲になった米国人2403人の名前を刻んだ白い壁の前に献花し、黙とうした。1950年代に日本の首相3人が真珠湾を訪れたことはあるが、日米首脳がそろって訪れたのは今回が初めてだ。
米国の政治専門家は「オバマ大統領が宣言した『核のない世界』という公約を強調するため、最後の首脳会談の相手に安倍首相を選んだ」と見ている。オバマ大統領は在任8年間で核安全保障首脳会談を4回も行ったほど「核のない世界」という公約に力を入れた。しかし、次期大統領に決まっているトランプ氏は「核能力を大幅に拡張すべきだ」と、オバマ大統領の核政策廃棄を宣言した。こうした状況で、オバマ大統領は自身の遺産を象徴する「核のない世界」のイメージを残すため、安倍首相と共に真珠湾を訪れたものだ。
現実的な利害関係もある。オバマ大統領は同日、真珠湾で「米日同盟はアジア・太平洋の平和と安定の礎であり、これまで以上に堅固だ」と述べた。韓米日の三角同盟を通じて中国をけん制するということだ。
安倍首相にとっても真珠湾訪問は実利と歴史的業績の両方を得る機会だった。トランプ氏の当選により、安倍首相が力を入れてきた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は白紙となった。ロシアのプーチン大統領と進めている千島列島の4島(日本名:北方領土)返還交渉も壁にぶつかった。日本の政界では、安倍首相がこうした業績をもとに来年1月に衆議院を解散して総選挙を実施した上で改憲に拍車をかけるという見方が多かった。