先日、テレビ朝日で放送していた「中居正広のプロ野球魂」という番組を見ていました。
この番組は、現役プロ野球選手が3チームに分かれて「俺の侍JAPAN」を編成すべく、ドラフト形式で指名していくというユニークな番組です。
毎年恒例の番組になっていて、今年のメンバーは、
- 阿部チーム(巨人阿部、伊集院光)
- 涌井・角中チーム(ロッテ涌井・角中、井森美幸)
- 則本・武田チーム(楽天則本・ソフトバンク武田、武井壮)
という構成でした。
番組を通して現役選手の現役選手に対する評価を聴くことが出来て、プロ野球ファンにはたまらない内容だったのですが、その中でも非常に興味深かったのが、二刀流を完全に開花させた日本ハム大谷翔平選手に対する現役選手の評価でした。
(パ・リーグのエースたちが語った「打者・大谷翔平の恐ろしさ」|プロ野球 |集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva)
大谷翔平は投手としてはそこまで怖くない
このドラフトでは、各チームが投手を4人指名するのですが、どのチームからも大谷選手の投手としての指名はありませんでした。
この状況に驚いた司会の中居さんが、涌井・角中チームに話を聞いてみると、以下のような回答が返ってきました。
角中「言っちゃっていいのかわからないですけど、正直ピッチャーとしては考えてなかった。(指名された投手と比べてしまうと)一番コントロールが悪い。」
涌井「すごいとは思いますけど、実際投げ勝ってますし…」
素人から見ると、大谷選手の投手成績は超一流と言っても過言ではないように感じます。
21試合 10勝4敗 1.86 140イニング WHIP0.91
しかし、プロの打者目線から見ると、160kmの速球は、速いけど打てないことはない。それよりも、緻密なコントロールで打者を翻弄する投手の方が、プロの打者として嫌なのでしょう。実際、ロッテ打線は大谷投手に対して互角以上の成績を残しています。
大谷翔平はバッターとしての方がよっぽど怖い
面白かったのはその続きです。
角中選手は大谷選手に対する評価を以下のように続けました。
角中「個人的には、バッターとしての方が凄いと思います」
この評価に驚いた中居さんは、思わず巨人の阿部選手に意見を求めました。しかし、阿部選手はこう言いました。
阿部「僕も同じですね。」
中居さんはこの評価にやはり驚いていました。会場にいる現役トップレベルの打者二人が、大谷選手は打者としての方が凄い、とそのポテンシャルを認めたのです。
さらに、投手である楽天・則本選手も、大谷選手の打者としての能力を評価していました。
則本「大谷選手のバッティング練習ってご覧になったことありますか?東京ドームの看板に当ててますからね。すごいっす」
ソフトバンクの武田選手も「大谷選手はバッターの方が凄い」と言っていました。
その他評価の面白かった選手
真砂勇介(ソフトバンク)
番組の中で、これからが期待できる若手の「次世代枠」を指名するシーンがあったのですが、そこでも興味深い指名がありました。
なんと、涌井・角中チームと則本・武田チームが同じ選手を指名したのです。それが、ソフトバンクの真砂勇介選手でした。
(真砂 勇介|侍ジャパン選手プロフィール|野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト)
プロ4年目の22歳。1軍出場経験はなく、未だ知名度は低いものの、U-23ワールドカップで4番を任され、チームを優勝へ導くとともにMVPを獲得しています。
武田「身体能力が高い」
角中「ソフトバンクの選手からの評価が高い。柳田選手が「俺以上」と言っている」
はっきり言って私は真砂選手の名前を全く知りませんでしたが、要注意選手としてインプットされました。ソフトバンクは一体いくつものお宝を2軍に抱えているのでしょうか…。
吉田正尚(オリックス)
対して、阿部チームが次世代枠で指名したのは、オリックスの吉田正尚選手でした。
(吉田 正尚|第28回ユニバーシアード競技大会|大学代表|野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト)
吉田選手はデビューイヤーである今シーズンから1軍で活躍し、ルーキーとしては素晴らしい成績を残しています。
63試合 .290(231-67) 10本 34打点 OPS.854
さらに、シーズン後の若手選手によって行われるアジア・ウインターリーグにて、18試合全試合に出場し、打率.556、OPS1.700などの傑出した成績を残し最優秀打者に選出されています。
来季の飛躍が非常に楽しみな選手です。
阿部選手は「あれだけスイングできるのは凄い」と評価していました。
私の個人的な次世代枠
最後に私の個人的な次世代枠を紹介したいと思います。
昨年ロッテからドラフト1位で入団し、1年目のシーズンを終えた平沢大河選手です。
(平沢 大河|第27回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ|U-18|野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト)
今期の1軍出場は数試合にとどまりましたが、吉田選手と同じようにアジア・ウインターリーグで素晴らしい成績を残しました。(18試合全試合出場、打率.280 OPS.973)
守備にはまだ粗さが残るものの、是非若いうちから高いレベルでの経験をさせて、将来のロッテを引っ張るスターになってもらいたい存在です。
来季が本当に楽しみです。