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親が子どもにうっかり授ける「裏の教育」

東洋経済オンライン 12/28(水) 6:00配信

講演会やブログ、メルマガなどを通じて、子どもたちの本当の力を伸ばすために大切なことを伝える、教育評論家の親野智可等(おやのちから)先生。全国の幼児~中高生の親まで、根強い人気を集め続けています。
親野先生は小学校の先生として勤務するなかで、子どもたちのなかに「伸びる子・伸びない子」がいることや、親が子どもを叱ることの弊害に気づいたといいます。
なぜ叱ると子どもが伸びないのでしょうか?  お話を聞かせてもらいました。

■子育ての“常識”のせいで、愛情が空回り

 ――親野先生は今の子育てにどんな問題があると思われますか? 

 子育てや教育ってね、親や先生のなかに「太古の昔からの思い込み」みたいなものがいろいろあるんですよ。みんなそういうものに縛られているせいで、せっかく愛情があるのに空回りしていることが多いです。

 私が小学校の先生になったとき、子どもたちのいいところを伸ばそうと、いろいろ働きかけていたんですけれど、そうするとぐんぐん伸びていく子と、あんまり伸びない子がいるんですよ。

 なんでかな、と思っていて、あるとき気が付いた。親のなかには、子どもをものすごく叱ってるお父さん、お母さんがいるんだよね。

 たとえば、私が「○○くん、これがんばったね。よくできてるじゃん、自信もって!」といくらほめて帰しても、家で「あんた、これ何やってんの、ダメじゃない、○×▲※□……」と叱られ続けている子がけっこういる(笑)。ここだな、と思いました。

 とにかく親は、「また何々して」「なんで何々してないの?  しなきゃダメじゃないの」と叱ることが非常に多いんです。

 親は「人格否定の言葉じゃなければ、いくら叱ってもいい」と思っているけれど、これは勘違いです。よく雑誌や本なんかにも「人格否定や存在否定はいけませんよ。“物事について”叱りましょう」と書いてあるけど、そんなことはない。

 もちろん、人格否定っていうのは最悪ですよ。「また片付けしてない。本当にお前“ずるい”ね」とか、「また妹を泣かして。あんたお姉ちゃんのくせに“意地悪”だね」とか、相手の能力・人格をまるごと否定する言い方をするのは、絶対によくありません。

 存在否定は、それ以上に悪いです。「おまえなんかいないほうがいい、目障りだから消えろ」とか、「おまえなんか、本当は産みたくなかった」とかね。これは一番最悪で、言われるとトラウマになってしまいます。

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最終更新:12/28(水) 6:00

東洋経済オンライン

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