昔、ソ連のアフガニスタン侵攻の際、ムジャーヒディーン支援の為にそこへ赴いたムスリムが帰ってきて、テロを働いて重大な問題になりました(もっとも有名なのはオサマ・ビン・ラーデンだが、アルジェリアでは彼らのために10年間国中で生臭いテロが絶えなかった)が、彼らはアフガーニと呼ばれて、おそれられたものです。
現在もシリアやイラクのISから帰国する者たちが帰ってきてテロをすることが、どこの欧州諸国でも警戒されていますが、確か5500名の青年がシリアやイラクに赴いていると言われるチュニジアでは、ことのほか深刻な問題だろうと思います。
al qods al arabi net がチュニジア議会における議論を紹介していますので、要点のみ次の通り


シリアやイラクから帰国した過激派は既に800名に上るが、彼らの帰国を認めるか否かで、議会で議論が行われている。
また24日以来、議会の前で、これらテロリストの帰国を禁止するようにとのデモが行われている。
27日議会で、この問題が議論されたが、「チュニジアの呼びかけ」(大統領のシブシーの創立した党で世俗主義)の議員は、「テロリストに帰国を許すな」と書いた紙を掲げた。
左派の人民党の議員が、リビアやイラク、シリアからのテロリストの帰国を防ぐために、このスローガンを公式に法制化するように求めた。
これに対してイスラム主義政党のal nahada 党の議員は、チュニジア人である人間の帰国を禁止する法律はできないと反対した。
この問題については、シブシー大統領が今月初め、チュニジア憲法によれば、帰国したいチュニジア人の帰国を何人と言えども禁止できず、我々としてはこの問題は政治的、治安上の問題として、彼らの帰国後に対処するしかないとの声明を発している。
チュニジア憲法第25条は、チュニジア人はその帰国する権利を奪われず、他の国に引き渡されず、国籍もはく奪されないと規定している由
http://www.alquds.co.uk/?p=651124
流石民主主義の国の議論だけはあると思いますが、5000人からの過激派が帰国したら、そもそもの監視から始まって、裁判等に至るまで、とても現在のチュニジアの治安能力で対処できるのか、頭の痛い所でしょうね