毎週映画を最低1、2本は観た2016年。
今年観た映画の中でよかったもの、面白かったものを上位10本にまとめました。
レンタル、劇場問わず。☆☆☆☆とか☆☆☆☆☆のもののみ。
結構記事にしていないものも多い(下書きの途中で挫折したり)。
以下、完全に個人的嗜好だけが基準
【スポンサーリンク】
1.バンクシー・ダズ・ニューヨーク ☆☆☆☆
売り上げランキング: 2,112
覆面ストリートアーティスト バンクシーがニューヨークで一ヶ月に渡り作品発表を行うと告知。
ファンは日々SNSで情報を集めゲリラ的に発表される作品を探し走り回る。
バンクシーは愛されてもいるが憎まれてもいる存在。
やっていることは非合法だし、バンクシー以外のストリートアーティストからすれば、バンクシーばかり持ち上げられるのは気に入らない。
バンクシーの絵に自分のサインを入れるやつ、塗りつぶすやつ。
ときには地元のギャングが撮影料、見物料を巻き上げたり。
バンクシーは作品の所有権を求めないので、見つけた人間が持ち去って勝手に売り払うこともある。
美術商はバンクシーのステンシルが書かれた壁を買い取り切り離し、空輸して展示。
バンクシーの絵を利用する人間も多いし、価値を認めず捨てる人間もいる。
美術とはなにか?芸術の価値とはなにか?を考えさせる作品。
2.スティーブ・ジョブズ ☆☆☆☆
ジョブズの人生の中での3つの場面を、転換期となった場面の舞台裏を会話劇で描くというのは一見さん向けでもなければジョブズマンセーさん向けでもない。
基本的に人間としてのスティーブ・ジョブズは基本的にダメ人間だが、プレゼン力と押しの強さで乗り切ったひとであって、天才といえば天才だが別に目指すべき人間でも憧れるべき人間でもない。
azanaerunawano5to4.hatenablog.com
3.パレードへようこそ ☆☆☆☆
新しい映画ではないですが、今年観たので(ブリグジットが話題のころ)。
サッチャー政権化のイギリス。
まだゲイに差別の強かった当時、LGBTの団体がストライキを行う炭鉱夫へ同じサッチャー政権に抗う同士として募金活動を開始。
特に炭鉱が産業ですから都市部ではないし頭が固い人も多く募金は拒否される。
そんな中ひとつの炭鉱が募金を受け入れ、そこからマッチョイズムな炭鉱夫と社会的マイノリティLGBTという相容れない2つの文化が混ざり合う。
主義思想を越えてつながり合う絆が素晴らしい。
とてもいい必見級の作品。
「キンキーブーツ」もそうだが異文化交流する映画はやはりいい。
文化を超えて人と人は分かり合えると教えてくれる。
とはいえ、右っぽい思想の人は観ないほうがいいかもしれないが。
これを観た当時、英国はEUから離脱するとかしないとかで国を二分して言い争い、映画の中とは違うよねーと感じた記憶がある。
4.コインロッカーの女 ☆☆☆☆
売り上げランキング: 28,352
あるとき、イリョンは青年と出会い、心を通わせる。
しかし青年の父親は金を借りたまま逃走。
イリョンは青年を逃がそうとするが……。
歪んだ擬似的「家族」の絆を描いた怪作。
キム・ゴウンは美人じゃないが、演技が素晴らしい。
今年も何本か韓国映画を観たが、ベスト10級はこれだけかなー。
来年公開の「釜山行き(新感染 ファイナル・エクスプレス)」はベスト10級らしいですが。
5.ベルファスト71 ☆☆☆☆
当時のベルファストはイギリス軍、IRAや民兵組織などがお互いにテロを行う紛争状態。
そんな最中にただの一兵卒が敵とも味方ともわからない人々の中を逃げ回る
面白いが、前提として北アイルランド紛争に関して少し調べてから観たほうが間違いなく楽しめる一作。
6.イットフォローズ ☆☆☆☆☆
ここからは☆☆☆☆☆
かつてゾンビは「ゆっくりと集団が歩いてくる」恐怖だったが、それが「ドーン・オブ・ザ・デッド」「28日後」でフルスピードのダッシュで迫ってくるようになった。
しかしこのイットフォローズでは先祖返りをし、他人には見えない謎の「それ」がひたすら追いかけてくる。
目に見えない「それ」は壁を超えられず扉も破れない。だがいつまでも追いかけてくる。
一見ホラーに見せ、暗喩に満ちたこの作品。
謎の存在は児童虐待の暗喩や家庭内暴力を思わせ、性的行為をすると感染るのは性病を連想させたり。
ホラーが苦手でも一見の価値がある。
7.ミッドナイト・イン・パリ ☆☆☆☆☆
婚前旅行でパリに訪れた作家の主人公。
結婚や作家としての生き方にも悩み、独り夜の街を歩いていると目の前に車が止まる。
到着したのは1920年代のパリ。
そこにはヘミングウェイやダリ、フィッツジェラルドなど錚々たる芸術家が顔を揃えていた。
旧作「カイロの紫のバラ」は、現実に疲れた主婦が映画を見ていると映画の主人公が映画から飛び出し恋に落ちるという話だったが、今作ではシームレスに主人公が1920年代の世界にタイムスリップしてしまう。
そこで出会う芸術家にインスパイアされさらに美しい女性と恋に落ちる。
お得意の世界観だが、モラトリアムに行かせず厳しくても現実に向き合わせ引き戻すのは、根本がリアリストでニヒリストなアレンっぽい。
「ウッディ・アレンって頭でっかちで嫌いだわ~」みたいなひとにも観やすい一本。
azanaerunawano5to4.hatenablog.com
8.フレンチブラッド ☆☆☆☆☆
移民に集団で暴力を振るう彼はレイシストの集会に参加。
しかしあるときレイシストから距離を置くようになる。
レイシズムに燃える若者期~レイシズムに懐疑的な中年期、というマルコの人生と変化を描くことで移民問題と排外主義に対する疑問を浮き彫りにした必見の一本。
9.妻への家路 ☆☆☆☆☆
今作では中国政府の軛から離れ「初恋のきた道」と同じ文化大革命の時代を描いた。
文化大革命で引き裂かれた夫婦。
夫が戻った時、妻は健忘症を患い夫を認識できなくなっていた。
迎えるのは文革の時、自分の夢のために父親を密告した娘。
巨大な力により引き裂かれ、すれ違いそれでも寄り添い生きていく一組の家族の姿を描いていた名作。
10.シンゴジラ ☆☆☆☆☆
1995年。
本当はゴジラを撮りたかった金子修介が「ガメラ 大怪獣空中決戦」を撮ったときは過去の子供向け娯楽作としてのガメラを、現代時代に復活させることを考え、最高のエンタメになった。
そして復活した庵野版ゴジラはそんな金子修介版ガメラを越え、怪獣映画の域を超えた作品として登場した。
圧倒的な情報量、ゴジラという既に知られ尽くしたキャラクターを使い、観客には第一段階、第二段階と見せることで引っ張り続け、皆が想像するゴジラを見せず、ようやく登場するゴジラは観客の想像を超えて巨大で凶暴。
一瞬で東京は壊滅し廃墟と化す。
コントロールされる観客のカタルシスと与えられるのは処理限界の情報量、二重写しに被る現実の震災の記憶。
フィクションでありながらノンフィクションのニュース映像や記憶が重なることで現在に生きる観客はゴジラの世界を一層深く没入することになる。
現代の、今の、2016年だからこそ観るべき一作。
来年ようやくブルーレイが出るので当然買いますが、それにしても
1枚目:本編ディスク
2枚目:特典ディスク プロモーション映像、キャンペーン映像
3枚目:特典ディスク メイキング、アウトテイク
1と3が欲しいんだが、3が欲しければ3枚組しか選べない。
2枚目いらない気がするんだが。
こういう円盤商法もデジタル配信でなくなるかと思ったが……特典映像は配信にない。
まぁ、仕方ない。買うわ。
つか、アマゾンだと4Kディスク入り四枚組のほうが三枚組より安い……。
うーむ(´・ω・`)
4Kの環境無いんだけど。
あとこのランキング記事もよかった。
選んでる作品がちょっとかぶってて趣味が近い。
www.anomaly3-movie.com