【コラム】

塩田紳二のアンドロイドなう

128 モトローラ「Moto Z」を試す その3

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Moto Zの背面には、Moto Modsと呼ばれる拡張ユニットを装着することができます。Moto Modsは磁石で固定され、背面のコネクタでMoto Zと接続します。現在は、

  • Hasselblad True Zoom(ズーム付きカメラ)
  • JBL SoundBoost(ステレオスピーカー)
  • Moto Insta-Share Projector(プロジェクター)
  • Incipio offGRID Power Pack(外部バッテリ)

の4種と、「Moto Style Shell」と呼ばれる背面カバーが6種類あります。

Moto Modsは、装着すると自動的に識別され、初回は機能を紹介するページが表示されます。また、付属アプリ「Moto Mods」から、Moto Modsのバッテリ状態やファームウェアバージョンなどを表示することができ、また、種類によっては、設定が行えるものもあります。そのほか、Moto Modsのファームウェアアップデートなどもここから行います。

現在あるMoto Modsは、もともとあるMoto Zの機能を拡張するもので、付属アプリがそのまま利用できます。たとえば、ズーム付きのカメラアダプタであるHasselblad True Zoomは、標準のカメラアプリがそのまま対応し、音楽を再生するPlay MusicなどもJBL SoundBoostを接続するとステレオ再生を行います。

Hasselblad True Zoom

Hasselblad True Zoom(以下True Zoomと表記する)は、Moto Zを10倍ズーム付きのデジタルカメラにするMoto Modsです。ユニット側にシャッターボタンやズームレバーがあり、フラッシュは、キセノン管を使った本格的なもので、かなりデジカメ的な使い方が可能になります。もちろん、カメラアプリ側から操作することも可能です。このユニットはモトローラとカメラメーカーであるHasselblad社が共同開発したといいます。また、このTrue Zoomでは、RAW形式の保存が可能で、Hasselblad社のRAWファイル編集ツールが利用できます。

光学ズームは、これまでのほとんどのスマホがもっていなかった機能で、やはり便利です。また、専用のシャッターボタンが本体から少し離れた位置にあり、同軸でズームレバーが装備されていて、撮影感覚もかなりデジカメに近いものでした。レンズは、いわゆる沈胴式で、そのための電源ボタンがあります。ですが、本体でカメラアプリを起動すると、自動的に電源が入るほか、True Zoom側の電源ボタンを押せばカメラアプリが起動します。

これまでも、デジカメ主体のハードウェアにアンドロイドを搭載したものはありましたが、アンドロイドのバージョンアップに追いつけない、カメラ機能の起動時間が長いといった問題がありました。Moto Modsは、不要時には取り外しも可能で、オフにしていれば、本体側の電力を消費しないため、スマートフォンとデジタルカメラの両方のメリットを享受可能です。

ただ、実際に使ったところ、オートフォーカスが効きにくい場面がいくつかありました。マニュアルに切り替えることで撮影は可能なので、ソフトウェア側の問題という感じがしないでもありません。

True Zoom自体は、145gと装着するとちょっと重たい感じがあり、普段ネックストラップを使うような人だと重さを特に感じるかもしれません。一応、True Zoom自体を収納できるケースが付属しているので、必要に応じて装着するのがいいのかもしれません。

Hasselblad True Zoomは、コンパクトデジカメのようなMoto Mods

背面はには、接続端子などが並ぶ。Moto Zのカメラレンズ部分は写真左側のスポンジ部分の下に来る

Moto Zに装着して電源を入れると、沈胴式のレンズが出てくる。右手前のオレンジの部分がシャッター、その外側がズームレバーになっていて、使い心地はコンパクトデジカメとあまり変わらない

付属のMoto Modsアプリ。装着しているMoto Modsの種類やファームウェアバージョンなどを表示できる

どのMoto Modsでもアプリから、ファームウェアのアップデートを行える。このときダウンロードオプションを指定できる

詳細情報やチュートリアル(最初の装着時に表示)の再表示、Modsの再起動なども行える

JBL SoundBoost

Moto Zの本体組み込みのスピーカーは、モノラルで、ちょっとした画像の再生などには問題はないのですが、さすがに映画や音楽の再生ではステレオスピーカーが欲しくなります。JBL SoundBoostは、本体背面に装着でき、横置きのスタンドを組み込んだステレオスピーカーです。バッテリを内蔵していて、再生時には、これが使われるため、最大で10時間の音楽再生が可能になるようです。なお、充電は、Moto Zに装着して行うだけでなく、SoundBoost側にもUSBタイプCコネクタがあり、単体でも行えます。

また、背面にキックスタンドがあり、スマートフォンを横向きで立てた状態にすることが可能です。タブレットと違ってスマートフォンは筐体サイズが小さいので、単にスピーカーを入れただけでは、ステレオ効果が出にくく、そのためか、モノラルスピーカーというものがほとんどです。しかし、最近ではモノラルの音楽ソースはほとんどなく、動画などもステレオ音声が普通です。どうせ音楽を聴くのであればステレオで聞きたいと思うのが人情というものです。このSoundBoostは、スピーカーは背面にありますが、正面で聞いていて十分にステレオ感がありました。

残念なのは、このJBL SoundBoostを含むMoto Modsは、1つしか本体に装着することができません。このため、たとえば、後述のプロジェクターなどを使っている場合には、このSoundBoostを使って音声をステレオ再生することができないのです。バッテリまで内蔵しているので単体で動作できそうなものですが、Moto Modsの構造上、本体とコネクタで接続なので、しかたがない点ではあります。とはいえ、泊まりがけの旅行などに持っていくと、宿泊先などでもヘッドホンを使わずにステレオで再生が可能になるというのはちょっと魅力的です。

JBL SoundBoostは、バッテリ内蔵のステレオスピーカー。右側の丸い部分はMotoZのレンズための穴

赤いJBLロゴのある部分がキックスタンドになっていてMoto Zを横向きに立てておくことができる

Moto Modsアプリでの表示。バッテリを内蔵しているため、Mods名の隣に充電量が表示される

Moto Insta-Share Projector

Moto Insta-Share Projector(以下Insta-Shareと略す)は、Moto Zのディスプレイをそのまま投影できる小型プロジェクターです。小型とはいえ、結構明るく、周囲をちょっと暗くすれば、十分に画面を見ることができます。Insta-Share自体にスタンドがついており、机に対して角度を付けて配置したり、真上に投影することが可能です。天井に投影させれば、寝ながら映画を見るなんてことも可能です。こちらもバッテリが内蔵されているため、投影ランプの電源に本体のバッテリを使うことなく、装着時には、最大で60分間、動作時間を延長できるようです。

このInsta-Shareだけは、設定をInsta-Shareの電源ボタンで起動することが可能です。このため、動画の再生中でも設定を開くことが可能です。設定には、映像の上下のサイズ調整(台形補正。投影先がプロジェクタに対して垂直でない場合には、投影像の上下どちらかが小さくなる)が行えます。なお、ピントの調整は、Insta-Share側にあり、やはり投影象を見ながら行えます。

ただ、数10センチ程度の近距離では、ピント調整範囲が狭く、投影先は、Insta-Shareとほぼ垂直になっていることが要求されます。2メートル程度あれば、ピントを維持したまま、上下サイズの調整が利きます。

その名前から、Moto Zで再生できる動画、静止画を多人数で見るようなことが想定されていますが、映画を一人で見るなんて場合にも結構つかえます。一回枕元に置いて映画を天井に投影して見てみました。ちょっと気になるのは、高輝度のランプが使われているため、ファンが内蔵されていて、できれば、少し離れたところに置く方がファンの音が気にならないでしょう。あるいは、ヘッドホンを使うほうがいいのかもしれません。

Moto Insta-Share Projectorは、モバイルプロジェクタ。DLP方式でランプを内蔵する。中央のモトローラロゴのある部分がスタンドになる

投影部は側面にあるので、画面を上にして配置し、スタンドで角度を付ける

スタンドは90度まで開くため、このようにして天井に投影することも可能

Moto Modsアプリでの表示。やはりバッテリ充電量が表示される

Incipio offGRID Power Pack

Motorolaが扱っていますが、パッケージの様子などからすると、サードパーティの製品のようです。ですが、Moto Modsであり、設定ページなどを含め、他のMoto Modsと同じように利用できます。

このIncipio offGRID Power Pack(以下Power Pack)は、外部バッテリですが、Moto Zと一体になるため、持ち歩きが簡単です。Moto Zは比較的バッテリが保つほうですが、それでも足りない場合には、これを装着しておくと動作時間を延ばすことができます。カタログスペック上は本体の動作時間を最大20時間延長可能ということです。本体に接続した状態なら、充電器をMoto Zに接続しておけば、自動的にPower Packも充電が行われ、別途充電する必要がないのは非常にラクです。いわゆる外付けのモバイルバッテリでは、本体とは別に充電の必要があり、毎日、本体とバッテリの両方を充電するのはちょっと面倒だし、場合によっては忘れてしまうかもしれません。しかし、Power Packならそんな心配は無用です。

また、このPower Packや他のMoto Modsでもバッテリを内蔵しているものは、接続面にボタンがあり、単体でバッテリ状態をチェック可能です。これにより、Moto Zに接続しなくても充電状態を調べることができます。もちろん、装着時には、Moto Modsアプリ側で充電状態を見ることもできます。

今回は、通常版しか使っていませんが、モトローラのWebサイトを見るに、ワイヤレス充電に対応したPower Packも存在しているようです。

すべてのMoto Modsは、専用アプリ(Moto Modsアプリ)からヘルプを表示させることができます。マニュアルが付属していますが、オンラインで常に見ることができるため、必要な時に読めばいいようになっています。

Incipio offGRID Power Packは、外部バッテリで、Moto Zの動作時間を延長できる

背面にあるボタン(左側、コネクタ部のとなりのグレーの丸い部分)で、LEDによるバッテリ残量チェックが行える

Moto Modsアプリによる表示

動作切り替えによりMoto Zのバッテリを100%に保つか80%に保つかを切り替えられる。後者のほうがPower Pack自体の動作が長くなる

Moto Modsは、最初に装着したときにこのようなチュートリアル画面を表示する

Moto Modsアプリから各デバイスのヘルプを表示できる。評価時点では日本語化されてなかった

お借りして、ざっと触った感じ、Hasselblad True Zoomは、ちょっと便利な感じです。スマートフォンで写真を撮る機会は多く、ときどきズームがあればと感じることがあります。画像処理でズームできるスマートフォンもあるようですが、ちょっとガッカリした写真になることもあります。そんなとき、True Zoomでは、光学式10倍ズームが使えるため、解像度が高いまま、対象に大きく「寄った」撮影が可能になります。

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インデックス

連載目次
第128回 モトローラ「Moto Z」を試す その3
第127回 モトローラ「Moto Z」を試す その2
第126回 モトローラ「Moto Z」を試す
第125回 大陸でウワサのスマホ、ソフトウェア編
第124回 大陸でウワサのスマホ、デュアルSIM編
第123回 大陸でウワサのスマホを買ってみた
第122回 Androidでコルタナを使う
第121回 Android N、「通知」の表示形式が変更に
第120回 「Android N」の新プレビュー版、Developer Preview 4が登場
第119回 「Android N」プレビュー その3
第118回 「Android N」プレビュー その2、Nの改良点
第117回 「Android N」プレビュー その1
第116回 「ZenWatch 2」の充電動作を調べて見た
第115回 Android Wearのバッテリ関連機能を検証してみる
第114回 Android Wearを再評価してみる
第113回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その3)
第112回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その2)
第111回 Nexus 7をカーナビにしてみた(その1)
第110回 画面キャプチャに便利なシステムUI調整ツール
第109回 2016年の注目はタブレット
第108回 「Nexus 5X」と「USB Type-C」
第107回 「Nexus 5X」と「LTE」
第106回 Android 6.0 ストアとアプリ
第105回 Nexus 5XでみるAndroid 6.0 Marshmallow
第104回 「Nexus 5X」を買いました
第103回 「Android Mのプレビュー3」を試す(前編)
第102回 Android M プレビュー2 (準備編)
第101回 「LG G Watch」のその後
第100回 「Zenefone 2」買いました
第99回 ちいさくてかわいい「LG L20」、イギリスで買ってみました
第98回 「Google日本語入力」アップデートで何が変わった?
第97回 どのアプリで開く? 「インテント」の仕組み
第96回 「OneNote」をつかってみた
第95回 ロリポップのマテリアルデザインをまとめてみる
第94回 「Email Markup」って何?
第93回 Outlookは来たけれど
第92回 Office Previewつかってみた
第91回 Google INBOXを使ってみる
第90回 AndroidWareの文字盤を自作する
第89回 Android Ware Lollipop版
第88回 「Nexus Player」を試す - ソフトウェア編
第87回 「Nexus Player」を試す - ハードウェア編
第86回 「Nexus 9」ファーストインプレッション - ソフトウェア(Lollipop)編
第85回 「Nexus 9」ファーストインプレッション - ハードウェア編
第84回 充電しながらUSBデバイスが使えるホストケーブル
第83回 Android "L"プレビューとAndroidWareがアップデート
第82回 ちょっとイケてる「Kyocera Hydro Vibe」
第81回 Android "L" バッテリ消費を監視する
第80回 アクセスポイントの基本を知る
第79回 OneDriveとGoogleドライブ
第78回 シェルのネットワーク関連コマンド
第77回 "L"の中身
第76回 アンドロイドウェア(Android Wear)は暫定バージョン?
第75回 LGのスマートウォッチ「G Watch」
第74回 "L"がくる
第73回 次は「Lollipop」か? その前にKitKatが4.4.3に
第72回 VPNを使う その3 「VPNをアンドロイドから使う」
第71回 「Chromecast」とは?
第70回 VPNを使う その2 「VPNサーバーを立てる」
第69回 VPNを使う その1 「基礎編」
第68回 アンドロイドのストレージ
第67回 「NVIDA SHIELD」のソフトウェア
第66回 「NVIDA SHIELD」のハードウェア
第65回 HDMIとMHL、SlimPort - ディスプレイ接続端子を整理してみる
第64回 「LG L1 II」を買ってみた
第63回 アンドロイドに音楽を「聞かせる」
第62回 住所録の秘密
第61回 Outlook.comをカレンダーに表示する
第60回 ソースコードはどこにある?
第59回 AndroidのBluetoothテザリングとWindows 8.1
第58回 NFCでマニュアル参照を簡単に
第57回 あらためて「ポータブルアクセスポイント」をきちんと試してみる
第56回 「ビルド番号」ってなに?
第55回 画面キャプチャをバッチファイルで実行
第54回 adbコマンドをちょっと解説
第53回 「android 4.4 "Kit Kat"」で画面を録画する
第52回 「android 4.4 "Kit Kat"」の内部的な変更点
第51回 「android 4.4 "Kit Kat"」を解説
第50回 「Nexus 5」を買ってみた
第49回 Google Keepはリマインダーだった
第48回 android 4.2からサポートされた「ワイヤレスディスプレイ」
第47回 画面キャプチャー
第46回 ヘッドセットの秘密
第45回 Nexus 7のLTEモデル
第44回 Nexus 4買いました。アメリカで。
第43回 ブートローダーとfastboot
第42回 Jelly Beans 4.3 Returns
第41回 Chromecast、テレビに刺さる
第40回 デバイスマネージャでAndroidの位置を確認
第39回 新しいNexus 7を買ってみた
第38回 Jelly Beans 4.3
第37回 レノボ「K900」を国際版化
第36回 NFCで遊ぶ
第35回 自宅で簡単ファイル転送
第34回 レノボ「K900」のカスタマイズされたJelly Beansを見てみる
第33回 CloverTrail+のスマートフォン、レノボ「K900」を買ってみた
第32回 AndroidがBluetooth 4.0を正式サポート
第31回 ARMの次世代CPU「Cortex-A12」
第30回 SDKをインストールしよう
第29回 ウィジェットを活用
第28回 QRコードでお手軽設定
第27回 XPERIA Tipoとロンドンアンロック屋事情
第26回 diNovoキーボードを使う
第25回 キーボードをカスタマイズする
第24回 Androidキーボードのしくみ
第23回 2段階認証を使おう
第22回 いらないプリインストールアプリを削除
第21回 64bitなんて必要なのかしら?
第20回 アメリカでアンドロイドの読書端末を買ってみた
第19回 Android 4.2の新機能
第18回 Android Beamって何だ?
第17回 NFCで何ができる?
第16回 Nexus 7をアメリカで買ってみた
第15回 AndroidをPCにつなぐと
第14回 Androidの記憶領域
第13回 Google Nowを使ってみる
第12回 AndroidのUSBホスト機能
第11回 デュアルSIMを使ってみる
第10回 キーボード一体縦型Androidマシン
第9回 Androidの言語設定
第8回 アンドロイドに道を聞く
第7回 Google Playはどうやってアプリの公開を制御しているのか?
第6回 「Acer A100」がICSになった
第5回 つながっているのはACアダプタ、それともUSB端子
第4回 スマートフォンを普通の電話としてつかってみた
第3回 Androidからの通知を表示可能な腕時計
第2回 アームを誤解してませんか?
第1回 MWCで見たAndroid

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