「週刊金曜日」の報道についてのご説明

かつて存在した反人種差別運動団体「People’s Front Of Anti-Racism」(以下『PFAR』、2014年9月30日活動終了)の運営メンバーであった木野寿紀と申します。

「週刊金曜日」公式サイトが 2016年12月27日付けで掲載しました記事『性的「暴行」事件を起こした『日本会議の研究』の著者・菅野完氏をめぐる「運動体」の対応』 http://www.kinyobi.co.jp/news/?p=3692 にて言及されております、菅野氏による募金着服事件についてご説明させていだきます。

(※活動終了に伴い、PFARの公式サイトも閉鎖したため、本件についてのご説明のためにこちらのページを開設させていただきましたことをご了承ください)

1. 菅野氏による募金の私的流用の事実について

まず、菅野氏の募金の私的流用についての事実関係を簡潔にご説明します。

  • PFARによる「反レイシズム・メッセージ・プロジェクト」のために協力者のみなさまからお寄せいただいた募金を、 PFARメンバーで団体銀行口座の管理人であった菅野完氏が私的に流用した。
  • 募金総額は106万7601円だったが、菅野氏が流用したのはうち90万0470円(口座からの出金手数料を含む)であった。
  • 出金は2013年5月7日から同年9月9日までに行われた。
  • 同年10月初頭にPFAR内で本件が発覚。菅野氏に確認を求めようとするも連絡取れず。
  • 同年11月3日に菅野氏より流用分全額(出金手数料を含む)である90万0470円がPFARの口座に返還される。
  • 2014年2月6日、菅野氏が「今後、反差別運動には一切関わらない」旨の誓約を行う。

以上となります。従いまして、週刊金曜日の該当記事にあります、

『菅野氏が同年夏までに、反レイシズムの広報活動のために集められ、「差別撤廃 東京大行進」のデモの制作費に充てるよう考えられていたカンパ金の一部を着服し、使い込んでいたことが発覚したためという。菅野氏は界隈の運動に関わらないとの旨の誓約書を書き、運動からパージされたという。 』

の部分に関しては、事実ということで間違いありません。ただしより正確には、

  • 当初の募金の使途として予定していた 「反レイシズム・メッセージ・プロジェクト」 は、人種差別団体の活動が新大久保地域からの撤退の動きを見せはじめたために中止。
  • 募金の使途として新たに「差別撤廃 東京大行進」の開催を計画したが、同イベントは実行委員メンバーからの持ち寄りで開催資金を賄えたため、募金はそのまま保留。
  • 「東京大行進」開催終了後、保留となった募金の使途を検討する段階で、菅野氏による流用が発覚

という時系列となっております。したがいまして、2013年の「東京大行進」では募金は使用されず、翌14年以降の活動の資金として充てられました。使途については次項にてご説明します。

2. 菅野氏による流用分返還後の募金の使途について

募金の流用があったことは事実ですが、「週刊金曜日」記事中には言及されていない、以下の点についても当方より付け加えさせていただきます。

  • 菅野氏による流用分は同氏自身により全額が完全に返還されており、PFAR口座にお寄せいただいた寄付に関しては本件以外の使途不明金は一切存在しなかった。
  • 流用分返還後の募金については、PFAR活動終了前に都度発表したとおり、「国際人種差別撤廃デー記念デモとシンポジウム(2014年 3月21日 )」「東京レインボープライドパレード(同年4月27日)への参加」「東京大行進2014(11月2日)の開催費用の一部」にそれぞれ使用し、いずれの件についても会計報告済みである。

従いまして、菅野氏による一時的な流用が発生していたものの、多くの皆様にご協力いただきました募金につきましては、PFARの口座にお寄せいただいたご寄付の全額が残らず反差別運動のために使用されたことをこの場で強調させていただきます。

3. 今回、事実関係の公表に至った経緯

繰り返しになりますが、 PFARの口座へお寄せいいただいた募金全額が正しく本来の使途に使われたことは間違いないため、菅野氏による一時的な私的流用については現在までに公表の場を持ちませんでした。しかしながら、 流用分返還には触れていない「週刊金曜日」 記事をお読みになった方の中には「肝心の募金は正しく使用されたのか」という疑念をいだかれる方もいらっしゃるのではと考え、今回あらためて経緯のご説明をさせていただきました。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

2016年12月27日

木野 寿紀

連絡先