月刊アフタヌーン連載中
『波よ聞いてくれ』 沙村広明
マンガ大賞2016の6位にノミネートされたこの作品。
『無限の住人』で有名な沙村先生の最新作。
“絶対に人の死なない漫画”がコンセプト。
あらすじ
舞台はサッポロ。主人公は25歳女性・鼓田ミナレ。
スープカレー屋で勤務していた彼女は、あるきっかけからラジオDJとしてデビューすることになる。
深夜の北海道に鼓田の声が響く。果たして彼女はラジオ界で天下をとることができるのか!?
おすすめポイント
姉御のような主人公の巧みなしゃべり
(出典:波よ聞いてくれ 1巻)
なんといっても見どころは主人公・鼓田ミナレのしゃべりと性格。
ラジオDJに抜擢されるくらい、とにかくミナレはしゃべりが上手いし基本的にテンションが高い。キレのあるつっこみが面白く、酔うとその面白さは倍増する。
次から次へと出てくるセリフまわしには圧倒される。
見た目は美人なのに中身はがさつ。
ただ、見ていてかっこいいので、だらしない部分を除けば、同性から憧れられるような女性ではないだろうか。
主人公も十分個性的だが、脇を固める登場人物も個性的な人が多い。
基本的には鼓田ミナレの日常を描いた漫画ですが、スピード感があり、次から次へとテンポよく話が進んでいきます。ときにはジェットコースターのような怒涛の勢いで進む。
ギャグ要素もあり、ミナレ自身と周囲の恋愛模様なんかも書いてますが少なめです。
総じてミナレの迫力がすごいので力強い漫画という印象。
北海道民には馴染みやすい漫画
舞台が札幌という事で、北海道民には馴染みやすい漫画になっています。
主人公が最初に働いているのもスープカレー屋さんという設定だし、北海道の地名や店名などが、あらゆるところで出てきます。
「あ、これ知ってる知ってる」と楽しみながら読め、なんだか親近感がわく漫画。
まとめ
現代では、あまり馴染みのないラジオ業界をテーマにしたこの作品。
ラジオかぁ…ラジオは聞かないからなぁと思いつつ読みましたが、ラジオを聞いていようがいまいが、この漫画との相性は全然関係ありません。
ハマる人はたぶんハマります。
少なくとも女性なら主人公に共感する部分があり、応援したくなるのではないでしょうか。
ちなみにコミックにはちょっとした仕掛けがあります。購入した方はコミックのカバーを外してみて下さい。ちょっとしたネタが仕込まれています。
まだ3巻までしかコミックが出ていないので、これからの展開が気になります。