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謎に包まれた婚約者の人生
私の元婚約者には「学歴」がありませんでした。
彼女は「小学校」にすら通って居なかったのです。
その理由は?
シングルマザーであった母親と共に
小さな、小さな「自分達の宗教」を立ち上げていたからです。
当時、小学生だった「元婚約者」の彼女は
その「宗教」の中で
「教祖のような立場」として、
その中心に座らされていたのです。
幼かった彼女は、母親に逆らう事は出来ませんでした。
言うことを聞かなければ母親から暴力を振るわれ、
学校に行くことも許されず。
友達と遊ぶ事さえも禁じられていたそうです・・・・。
しかし、この話は
ただ「金儲けがしたかった」母親のエゴの話なのでしょうか?
今考えてみると、状況は複雑で、
私も「こうだ!」と言う結論が出せずにいます。
この話は、元婚約者とお母様から聞いた話からの
「推測」になる部分も多いのですが、是非最後までお付き合いください。
婚約者の「お母様」の過酷な人生
元婚約者のお母様は高校2年生の時に
「初めての彼氏」が出来ました。
出会いは確か「ナンパ」だったと思います。(たしか)
彼氏は、10歳ほど年上の社会人の男性でした。
お母様から、学生時代の話を聞いたことがあるのですが、
「私はブスだから学校ではめちゃくちゃ虐められてたよ!」
と言ってゲラゲラと笑っていました。
イジメの内容はかなり壮絶なモノで
便器に顔を押し付けられたり
みんなの前で、裸にされたりした事もあったそうです。
ご両親は・・・・ご両親の話は全く聞いたことがありません。
イジメに気づいたりしなかったのでしょうか?
それはわかりません。
お母様はとにかく「自分の話」をするのが大好きでした。
一緒にゴハンを食べると、
必ず楽しそうに自分の過去の話を聞かせてくれます。
私はその壮絶な話の内容に、
いつもコメントに困ってしまいましたが・・・。
そんな孤独な学生生活の中で出会った
唯一の理解者である「彼氏」に
お母様はドップリ依存していったそうです。
「あの頃はあの人が本当に大好きだった」と言った
お母様の寂しげな顔が忘れられません。
そして、交際から1年ほどで
お母様が「妊娠」
周囲の猛反対を押し切り「出産」
そして「結婚」
その後、さらに子供が生まれ「4人の子宝」に恵まれたそうです。
私の元婚約者は、この兄弟の末っ子になります。
しかし、みなさんのご想像の通り
お父様は根っからの「遊び人」でした。
家にお金を殆ど入れず、浮気を繰り返す日々が続きます。
しかし、お父様を心から愛していたお母様は
パートをしながら、黙って生活を支え続けました。
「いつかきっと、自分と子供達の元に帰ってくる」
と信じていたからだそうです。
しかし現実は残酷です。
結婚から十数年後のある日、
お父様はお母様に「離婚」を迫りました。
理由は「浮気相手の女性と結婚したいから」だそうです。
絶望したお母様は「何も言わず」
ただ、言われるがまま離婚届にサインをしたそうです。
お母様は、その時もまだ
(いつか、いつかきっと自分の元に戻ってくる)
そう信じていたそうなのです・・・。
シングルマザーの暮らし
遊び人のお父様が「養育費」などのお金を払うはずも無く・・。
お母様は「4人の子供」を自分一人の力で育てなくてはならなくなりました。
お母様と、ご両親の話を全く聞いたことがありませんが、
これはおそらく「周囲の反対を押し切って結婚」したせいで、
ご両親との「関係が悪くなっていた」からかもしれません。
シングルマザーの就職活動
お母様は4人の子供を養う為に、必死に仕事を探したそうです。
しかし、全く「正社員の仕事」が見つかりません。
ちなみにシングルマザーの平均年収は
「150万円前後」と聞いた事がありますが、
本当でしょうか?
お母様は「高校を中退」しています。
そのせいか、就職活動はかなり困難だったと聞いています。
そして必死の就職活動の結果、見つけた仕事は
よくわからない「女性向け健康食品」の営業販売の仕事だったそうです。
その会社の方針で、商品が売れない時は
「自爆営業」(商品を自分で買い取らされる)
という厳しい条件のある会社だったそうなのですが、
お母様は子供の為に、必死になって働いたそうです。
毎日毎日、道行く女性に声をかけ、
「無料エステ」や「マッサージ」をします。
と言うような口実で家に上がり込み、必死に商品を売ったそうです。
幼い子供達の協力があったとはいえ、
毎日の仕事と子育ては凄まじい重労働だったと思います。
仕事の帰り道、
(もう疲れた・・・どこかで死んでしまおうか)
と思ったこともあるそうです。
しかし家に帰り、子供達の笑顔を見ると
(もう少しがんばらなきゃ・・・・・)そう思えたそうです。
子供の力は・・・・・・偉大です。
お父様の帰還
数年後のある日、家族で食事をしていると
突然、お父様が帰ってきたそうです。
お父様は玄関先で土下座をすると
「浮気相手とは別れた!また寄りを戻して欲しい!」
と頼み込んできたそうです。
お母様は
(やっぱり戻ってきてくれたんだ・・・・)
と涙をこぼして喜んだそうです。
しかし
息子達はそんなお父様を許しません。
「調子いいこと言ってんなよ、死ね!」
と土下座するお父様に向かって罵声を浴びせ始めたのです。
その言葉を聞いたお母様は「覚悟」を決めたそうです。
怒り
愛する子供達が認めないなら・・・・・
この男はもう父親でも何でもない!
そう思うとメラメラと「怒り」の感情が湧き上がったそうです。
怒りは、そのまま「暴力」になります。
お母様は、生まれて初めて拳を硬くギュッと握ったそうです。
そして、握った拳を
そのままお父様の顔面にブチ当てました!
すると、お父様は叫び声を上げながらお母様へ掴みかかってきます。
そこからは「血みどろの殴り合い」になったと聞いていますが、
私はその現場に居たワケでは無いので、どういう状況なのかはわかりません。
結局、警察が来る「大騒ぎ」となったらしいのですが、
お母様は大きな罪には問われなかったようです。
恐らくここが・・・・・・
お母様の人生のターニングポイントになったのだと思います。
お母様はこの事件の後
「自分の自信を取り戻した!」
と私に言っていました。
(自信・・・・・・?)
しかし、元婚約者はこう言っていました。
この事件の後から
「お母さんは家族に暴力を振るうようになった」と・・・・・。
(自信がついたから・・・・?)
お母様はこの事件で
「いつかあの人(お父様)は絶対に私の元に帰ってくる!」
という「精神的な支え」を失った事になります。
いくら「お父様の帰還」を子供達が反対したとはいえ・・・
これまで「暴力」を振るった事が無いお母様が
突然「お父様を殴り飛ばした」のはナゼでしょうか?
それは、
そこで「精神が崩壊したから」なのかもしれません。
過酷な仕事
子育ての疲れ
貧しい生活
将来への不安
お母様の「精神を壊す」には十分過ぎるほどの理由がありました。
現に、この事件の後からお母様は
「暴走」とも言える行動を繰り返すようになります。
もうお母様を止められる者は、
誰もいませんでした・・・・・。
つづく