前回の残りです。

・取引現場からの乖離

これも経理シェアード会社に限らず、経理担当者全般の課題です。

理屈では、取引を実施した者は内容を記した伝票に証憑を添付して経理担当者へ回付し、それを経理担当者は帳簿に記録します。

問題は、その伝票は正確に起票されているのか?、というところです。

・修繕費と言っているけども、機械の購入だったのではないのか?

・厚生費と言っているけども、その実態は交際費処理が必要なものではないか?

・その支出は立替金であって、だれかへ請求すべきものではないか?

・得意先から入金してきたけども、それは全て売掛金か?

証憑として添付された領収書や請求書から汲み取れる情報もたくさんありますが、やはり間違えないためにあるべきは、取引現場で起こす伝票に必要情報を記載すべきです。

ところが、現場と経理が精神的にも物理的にも遠くなってしまうと、その伝票が正しいのかどうか、十分な情報が書いてあったのか、確かめることを怠りがちになります。

また経理から現場へよく分からない点のフィードバックを怠るようになると、現場は「あれで良かった」と認識します。

そもそも現場は現業がいそがしいので、伝票の品質向上は二の次になりがちです。

経理側が嫌われてでも分からないところを聞きに行かないと、結果的に現場側も何が必要なの知りようがないので、報告能力も落ちていくのでしょう。

遠隔経理を始めると、確認作業をすることが減っていきます。

人間、目や耳に直接入ってこないと、伝票や証憑だけ見ても気がつけないことはたくさんあります。

自分で感じられないなら、現場から教えてもらえるような人間関係を築いておかないと、思っていたのとは違う方向へ進んで行くのかもしれません。

ネットだクラウドだVRだ、と同じ場にいなくても情報を共有できるかのような時代の雰囲気ではありますが、まだまだ人類の現実は現場からの情報無くして不足無く記帳できるには至っていないようです。

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本年の更新はこれでおしまいです。

本年もブログやtwitterを通じて、いろいろな方と会ったり、会話をする機会を得ました。

書く内容を考えることがしんどいときもあるけども、アウトプットすることを意識することでインプットにもいい影響があったのだと思います。

当ブログ、細々と続けていきますので、来年もお付き合いいただければと思います。