朴槿恵(パク・クネ)氏が「親の七光」で大統領になったのが、韓国の不幸の始まりだった。海千山千の政治家や官僚に太刀打ちできるはずもない。たちまち引きこもり「深窓の大統領」と化した。
めぼしい「実績」と言えば、中国の習近平国家主席との「蜜月関係」構築ぐらいだろう。それも今年1月の北朝鮮の核実験で吹き飛んだ。中国は助けてくれなかった。
誰も信じられなくなった朴氏は、最後は「神頼み」となり友人でシャーマンの崔順実(チェ・スンシル)被告にのめり込んでいく。彼女のためにあらゆる便宜を図り、ついに自分の行為が非合法であることさえ分からないほど、判断力がマヒしてしまった。
非力な朴政権のもとで、財閥オーナーは一族の利益ばかりを追求し、社会格差が絶望的なレベルまで拡大した。庶民の大部分は、大学を出ても正社員に採用されず、ワーキングプアとして薄給に甘んじている。
「恋愛」「結婚」「出産」「親からの独立」「人付き合い」、さらに「夢と希望」まで捨てた「七放棄」という言葉が飛び交う。多くの若者が自暴自棄になって、「HELL KOREA!」(韓国は地獄だ!)を叫び始めた。
その一方で、韓国経済そのものが失速した。
鉄鋼業や造船業、石油化学工業は中国製品の安売り攻勢にあって瀕死(ひんし)状態である。頼みのサムスン電子も、スマートフォン「ギャラクシーノート7」の連続爆発で致命的打撃を被り、成長エンジンを失った韓国経済は、今や墜落寸前である。