【社説】「この程度の人間のせいで韓国が大混乱に陥ったとは…」

 この日の崔被告の態度や様子を伝え聞いた印象は「自分と家族以外は何も関心がない人間」とでも言うべきか。朴大統領は自分自身のせいで弾劾訴追されそうな状況だ。ところが「今、あなたの娘と朴大統領のどちらが多くを失いつらい立場にあると思うか」との質問に崔被告は泣きながら「娘だ」と答えた。たとえ母娘の関係とは言え、この言葉はあまりにも意外で常識外れだ。「あなたが死ねば朴大統領の弾劾が棄却されるとすれば、死ぬか」という問いに崔被告は最後まで何も言わなかった。さらに「朴大統領に不満はないか」「朴大統領を家族のように思うか」との質問にも崔被告は口を閉ざした。崔被告は「大統領については何も語りたくない。複雑な思いだ」とも語った。一方でミル財団とKスポーツ財団については「自分の考えではない」と主張し、暗に朴大統領に責任を転嫁した。

 崔被告は口では「申し訳ない」「終身刑を覚悟している」などと語ったそうだが、実際に崔被告に会った議員らは「崔被告は自ら過ちを犯したという事実を本当は受け入れていない」という印象を持ったという。責任感や罪の意識、法の意識そのものが根本から欠如しているように見えたというのだ。このように崔被告は全てを否定しながらも、最後には「早く国が立ち直ってほしい」と口にしたそうだが、よくぞそこまで言えたものだ。

 前大統領府秘書官のチョン・ホソン被告はこの日、別の場所で行われた非公開の聴聞会で「朴大統領は崔被告を心から信頼していた」と証言した。ここまで公人としての意識がない人間、利己的で無責任な人間、知識も知性もない人間を朴大統領が生涯をかけて信頼し、頼ってきたとは本当に驚くべきことだ。崔被告を直接接見した議員らは「この程度の人間によってなぜ国が大混乱に陥ったのか」と誰もが嘆いた。それは今国民が抱いている思いと全く同じだ。

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