【社説】「この程度の人間のせいで韓国が大混乱に陥ったとは…」

 崔順実(チェ・スンシル)被告は26日、国会議員らの前で初めて口を開いた。崔被告は国会での聴聞会(証人喚問)出席を一貫して拒否し続けているため、国会国政調査特別委員会の委員らはこの日、ソウル市郊外のソウル拘置所に直接出向き、2時間30分にわたり非公開の聴聞会を行った。議員らの前に姿を現した崔被告は自らと関連する容疑についてほぼ否定し、すでに事実関係が確認された点についても「知らない」「違う」の一点張りだったという。

 崔被告は娘のチョン・ユラ氏が梨花女子大学に不正に入学した問題について「娘は正々堂々と入学した」と主張した。韓国教育部(省に相当)の監査によると、大学側はユラ氏よりも得点が高かった二人の受験生を不合格とするため、その受験番号を面接官に事前に伝え、点数を意図的に低くするなど、入試に不正があったと結論づけているが、崔被告はこれらを全て否定した。1992年にドイツで前の夫だったチョン・ユンフェ氏と共同で設立した会社についても崔被告は「初めて聞いた」と述べた。さらに元大統領府秘書室長の金淇春(キム・ギチュン)氏、同じく元大統領府民政首席秘書官の禹柄宇(ウ・ビョンウ)氏とその妻の母に当たるキム・ジャンジャ氏、元大統領府政策調整首席秘書官の安鍾範(アン・ジョンボム)被告ら事件の主要人物ら全員についても一貫して「知らない」と言い続けた。キム・ジャンジャ氏と崔被告がゴルフをしていたという証言がすでに幾つも出ているにもかかわらず、それでも崔被告は「知らない」と言ったのだ。

 崔被告がミル財団とKスポーツ財団を実質的に支配していたことや、両財団の名称やオフィスの場所なども崔被告が指定したことはすでに分かっている。しかし崔被告は大手企業などから強制的に資金を集める際、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領との共謀はなかったとして容疑を否認した。元創造経済推進団長で映像監督のチャ・ウンテク氏は国会での聴聞会で「崔氏の要請を受けて金鍾徳(キム・ジョンドク)元文化体育観光部(省に相当、以下同じ)長官と金尚律(キム・サンリュル)前大統領府教育文化首席秘書官を推薦した」とすでに証言しているが、崔被告はこれも否定した。

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