大韓航空、暴れる乗客への対応強化へ スタンガンも
- 2016年12月27日
大韓航空は27日、機内で暴れる乗客に対する客室乗務員の対応が不十分だと批判された問題を受けて、「飛行中の暴力に対して断固として積極的に」対応するよう、乗務員のガイドラインを改定すると明らかにした。
大韓航空については今月20日、ハノイ発ソウル行の機内で酔った男性乗客が暴れ、他の乗客や女性乗務員に暴力を振るったにもかかわらず、乗務員の対応が不十分だったと、乗り合わせた米歌手リチャード・マークスさんがソーシャル・メディアで批判した。
マークスさんは、自分を含め男性乗客がロープを使うなどして男性の抑制に協力しなくてはならなかったと写真付きでツイート。乗務員は「訓練不足」で「装備不足」だったと指摘した。
これを受けて大韓航空は、機内の暴力行為をスタンガンで制止することも検討すると発表。
「大韓航空は、航行の全般的な安全を脅かす飛行中の暴力に対して、断固として積極的に対応する」と文書でコメントした。
ロイター通信によると同航空は、乗務員ガイドライン変更の一環として、暴力沙汰への対応方法の訓練を強化し、男性客室乗務員を多く採用すると、対応を説明。すべてのフライトに男性の客室乗務員を少なくとも1人は配置する方針という。
マークスさんに同行していた妻デイジー・フエンテスさんは、乗務員たちが「テイザーの使い方を知らず」、ロープの結び方も知らないようだと述べた。
「テイザー」は電気ショックを与えるスタンガンの商品名だが、一般名詞としてもよく使われる。
大韓航空は「テイザー銃の使用について、条件と手続きを改善することにした。それによって、機内の暴力行為や騒動に、迅速かつ効率的に対応する」と付け足したが、具体的の規則をどのように変更するかは説明しなかった。
同航空によると、現行規則ではスタンガンの使用が許されるのは、航行の安全や乗客乗員の生命が危険にさらされている「深刻」な事態に限られている。このため、騒ぎのあった機内では乗務員がスタンガンの使用を「ためらった」のだという。
乗客を制止するためにどのような道具を装備するかは、個々の航空会社ごとに方針が異なる。
BBCが取材した複数の航空会社は、安全上の懸念を理由に、どういう道具を用意しているか明らかにしなかった。
(英語記事 Korean Air crew to 'use more force' with unruly passengers)