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高利回りが魅力 ソーシャルレンディング注目企業の強み

 ビジネスマンの間で最近話題にのぼる「ソーシャルレンディング」。資金を借りたい事業者と投資家をインターネット上で結びつける新しい金融サービスのことで、英米をはじめ海外市場は拡大の一途、投資家からの評価も高い。

 株式やFXがハイリスク・ハイリターン、銀行の定期預金がローリスク・ローリターンだとすれば、ソーシャルレンディングはローリスク・ミドルリターンといわれる。投資家にとって、高い安定性で資産運用できるのは大きな魅力だ。

 国内企業も続々とソーシャルレンディングに参入しているなか、いま最も注目を集めているのが、2016年4月にサービスを開始した「みんなのクレジット」。業界では最後発ながら、サービス開始後わずか7カ年で累計成立ローン総額20億円超えを達成するなど、グイグイと成長を遂げているのだ。

みんなのクレジット」と同業他社との一番の違いは、やはり高い利回りにある。投資家は募集案件に10万円から投資ができ、平均利回りは7~8%、最大利回り14.5%(2016年10月末)という実績。しかも同社は、すべての案件に融資金額の120%以上の価値を保全する担保を設定するなど、魅力的な利回りを安定的に実現する仕組みを作っている。

 日本の金融資産は1400兆円ともいわれるが、既存の金融システムでは中小企業や新規創業に資金が十分に供給されていないのが現状だ。「みんなのクレジット」がソーシャルレンディング事業に参入したのは、本当に必要としているところにきちんと資金を行き渡らせたいという、白石伸生社長の思いがあるからだ。

■AIを用いた融資審査システムを開発中

 投資するなら、きちんしたリターンを期待するのは当たり前。そこで「みんなのクレジット」は、投資家から預かるお金を厳格に運用するため、人工知能(AI)を用いた自動融資審査システムの自社開発に取り組んでいる。約1000項目のスコアリングモデルシートを作成し、ディープラーニングを用いて審査を実施。個人データと過去事例をもとに定性・定量の両面から解析を行い、融資額と金利水準を決めるシステムだ。完成すれば、デフォルトリスクが最小限に抑えられ、しかも幅広く資金調達チャンスを提供できるようになるという。サービス開始は2017年9月の予定だ。

 その先に同社が見据えるのは、アジア新興国への貢献だ。新興国には中国系、韓国系をはじめさまざまな銀行がマイクロファイナンスを提供しているものの、どれも融資利率は30~40%。そんな高い金利では、現地の人が豊かになるわけはない。ソーシャルレンディングを利用してもらえば、より好条件で資金を供給することが可能だということで、「みんなのクレジット」は2年後のファンド立ち上げを目標に、ミャンマーやベトナム、カンボジアなどで金融免許申請の準備を進めている。

 いま最も勢いに乗り、急成長している「みんなのクレジット」。元手が少なく投資ができて高利回り、しかも担保まで設定されているのだから、投資にまわす余裕資金がないと悩む若いビジネスマンでもトライできそうだ。

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