KDDIは27日、指紋や虹彩といった生体認証技術を擁するベンチャー、Liquid(リキッド、東京・千代田)と資本業務提携したと発表した。KDDIがリキッドに3億円出資する。リキッドが持つ高度な生体認証技術を生かし、スマートフォン(スマホ)などで採用が進む本人認証システムの信頼性を高める。
リキッドが第三者割当増資で発行する株式をKDDIが28日に取得する。両社は今年6~11月末にかけて東京・池袋で、訪日外国人向けに指紋でホテルにチェックインできるシステムの実証実験を実施していた。KDDIは「将来は生体情報だけで様々なサービスを受けることができる」としている。
また、KDDIは同日、カフェ「ディーン&デルーカ」やインテリア店「ジョージズ」を運営するウェルカム(東京・渋谷)への増資も発表した。ウェルカムには4月に出資したが、今回の増資で共同の店舗企画や開発を強化し、ウェルカムが持つ飲食や小売りのノウハウを生かす考え。増資後の出資比率は明らかにしていないが、50%を超えない範囲という。
KDDIは2月に発表した「auライフデザイン戦略」で、決済や金融サービス、物販など生活全般に関わるサービスを幅広く提供する方針を示していた。リキッドやウェルカムとの協業には、自社にない技術やノウハウを外部から取り込み、新たなサービスを素早く立ち上げる狙いがある。