ソフトバンクは来年1月から新たな人事制度を導入し、社員が育児のための短時間勤務を利用できる期間を、現行の子どもが「小学校3年生まで」から、「小学校卒業まで」に延長する。また、介護休暇の取得要件も緩和する。政府や企業が「働き方改革」を進める中、育児や介護を理由とした離職を防ぐための制度の充実化を図り、人材の確保を目指す。
現行の育児・介護休業法は、3歳未満の子どもを持つ労働者が申し出れば、短時間勤務制度を設けることを事業主に義務付けている。3歳以上の子どもを持つ社員についても、短時間勤務を認める企業は多く、ソフトバンクは小学3年生までとしていた。
しかし、小学4年生になると、学童保育を利用できなくなるなど、親が仕事を続けにくくなる状況は「小4の壁」と呼ばれ、ソフトバンク社内にも短時間勤務の利用期間の延長を希望する声があがっていた。
大企業を中心に、子育て支援の充実化を図る企業は増えている。ただ、小学校卒業までの長い期間について短時間勤務を認める企業は限られており、人手不足などを背景に期間の延長を図る企業が今後も増えそうだ。
また、ソフトバンクは介護休暇の取得要件について、現行の「要介護状態の家族がいる社員」に、「要支援状態の家族がいる社員」を追加する。同社は介護離職者が年に一定数いるといい、要介護に至らなくても、要支援の段階から社員をサポートする体制を整えることで、社員の介護離職ゼロを目指す。
ソフトバンクはこれらの制度充実化について「どのようなライフステージの社員でも働きやすい環境を整えていく」と説明している。【田口雅士】