【取材日記】地震緊急SMSを発信後、「あっ、ミスだ!」という安全処=韓国

【取材日記】地震緊急SMSを発信後、「あっ、ミスだ!」という安全処=韓国

2016年12月26日13時53分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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イラスト=キム・フェリョン記者
  クリスマスイブだった24日午後1時15分。多くの国民が平穏なクリスマス前夜を迎えようとしていた時だった。国民安全処は突然「13時13分ごろ、慶尚北道慶州(キョンサンブクド・キョンジュ)の南南西10キロ地点でマグニチュード(M)3.2の地震が発生した」という文字メッセージ(SMS)を各放送局に送った。安全処は「番組放送と字幕で速報を流してほしい」と各放送局に要請した。

  このSMSには「追加の余震に備えてテレビ・ラジオなどで災害速報を視聴するようにしてください(国民安全処)」という内容も含まれていた。このSMSの内容はおよそ50局の放送各社の電波に乗って全国に伝えられた。だが、この日、慶州では地震は発生していなかった。安全処がミスで送ったSMSだった。12分後の午後1時27分。安全処は「少し前に送った内容は訓練状況だった」というSMSを放送局に送った。安全処関係者は「送られるべきではないSMSが、異動してまだ日の浅い担当職員のミスで転送された。関連経緯を説明して事実関係を正した」と釈明した。

  だが、放送を見た国民はまた地震かと思って少なからず驚いた。9月12日にM5.8の地震を経験した慶州市民は「ひょとしてもっと大きな地震が来るのでは」と不安に震えた。報道機関と消防当局には確認の電話が鳴り響いた。

  「間違い地震SMS」は幸いハプニングで終わった。だが、安全処のあきれた「クリスマスイブの空振り」は弾劾政局の渦中に規律が緩んだ公職社会の断片を見せているようで苦々しかった。

  安全処と消防当局のホームページにはこの日、「オオカミ少年のような話にならないよう願う」「地震のような重要な業務を不慣れな職員が行っているということでますます信頼性が落ちる」などといった批判のコメントが寄せられた。

  これに先立ち、安全処は9月に慶州で地震が発生した時は「手遅れ災害速報SMS」で公憤を買ったばかりだった。安全処は問題を解決すると言って災害速報SMSの発信システムに手を加えた。従来は気象庁の地震情報を受け取ってから安全処がSMSを送るようにしていたが、現在は気象庁がSMSの発信を担当している。万一の状況に備えてSMS発信システムを維持してきた安全処が今回の「事故」を起こしてしまった。

  25日午前6時29分。慶州市南東11キロ地点で実際にM2.5の地震が発生した。9月12日以降、556回目の余震だ。幸い被害はなかった。基準(M3.0)以下だったので災害速報SMSは発信されなかった。

  安全処は各種災害が発生した場合、関連部署を総括するコントロールタワー的な役割を果たしている。状況を迅速に伝えることも重要だが、正確な災害状況を伝えることが最も重要だ。今回のようなミスで災害速報SMSを送って混乱をきたせば信頼だけが落ちる。このようなことでは安全処が「オオカミ少年」という烙印を押されてしまわないか心配になる。

  シン・ジンホ/ナショナル部記者
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