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今年も自然災害が多発し、各地で犠牲者が相次いだ。災害は決してひとごとで…
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今年も自然災害が多発し、各地で犠牲者が相次いだ。災害は決してひとごとではない。身近な備えを再確認し、命を大切にする姿勢につなげたい。
4月には熊本で震度7の地震が2度起き、家屋倒壊などによる直接死が50人におよんだ。10月には鳥取で震度6弱の地震が発生、約200棟の住宅が全半壊し、11月には福島県沖を震源とする地震で東日本大震災以降で最大の津波を観測した。
震度5弱以上の地震は全国で30回超。昨年の約3倍で、12年以後で最も多かった。
将来起こるとされる南海トラフ巨大地震や首都直下地震も念頭に、住宅の点検や避難路の確認などの準備が必要だ。
雨の被害も続いた。6、7月には梅雨前線などに伴う豪雨が九州を襲い、8月には台風10号の雨で河川が氾濫(はんらん)、岩手の高齢者施設で9人が死亡した。
長期的には雨の総量に大差はないが、降り方は局地的で、短時間に集中する傾向にある。極端化する気象に対し、防災体制を不断に見直す必要がある。
今年の災害で課題となったのが自治体の対応だ。避難勧告を出す時期や、援護を必要とする者への情報伝達のあり方など、考えておくべきことは多い。
全国で災害は頻発しても、その地域にとってはまれで、防災担当者が混乱する例も多い。落ち着いて即応するには、やることを時系列で決めておきたい。その方法の一つが、行動計画表「タイムライン」の策定だ。
「いつ」「誰が」「何を」するか、関係機関の役割を整理し明示しておく。自治体の地域防災計画の実践編ともいえる。台風上陸を想定し、「48時間前に避難所の開設準備」「36時間前に自主避難呼びかけ」といった具合だ。米国でハリケーン接近の際に効果を出した。
国土交通省は全国の市町村に策定を呼びかけ、8月に指針を示した。海岸に面し、高潮被害などを警戒する大阪府貝塚市では、市の検討会に住民も加わっている。市や府、気象台の担当者とともに、住民自ら避難のタイミングなどを考えれば、より実践的なものになろう。
先を見越して動けば、不測の事態にも対応しやすくなる。未策定の自治体は、近隣自治体とまず相談してはどうだろう。
1400人以上の死者・行方不明者を出した昭和南海地震から、今月21日で70年がたった。津波の被害にあった徳島や和歌山では、被災体験者らの話を聴く会が今も毎年のように開かれる。教訓を具体的な備えに結びつけ、減災を実現させたい。
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