聾学校
福島県立聾(ろう)学校が来年度から聴覚支援学校に改称されることになった。同窓会などが反対したものの、名称を変更する県教委提出の条例改正案が県議会12月定例会で可決された。
「手話でコミュニケーションを図り、差別と闘ってきた歴史が『聾』にはある」「『聾』は私たちのアイデンティティー」。同窓会関係者はこう訴える。
東北ではこれまでに、岩手、宮城、秋田の3県が「聾」または「ろう」から「聴覚支援」に校名を変更した。各県教委などによると、福島と同様に反対の意見が出たという。青森、山形の両県も今後、検討することになる見通しだ。
改称の是非とは別に、福島県教委の対応は残念に思えてならない。同窓会などに新名称を含めて具体的に伝えたのは11月下旬になってから。直後の条例改正案提出、県議会採決では議論を封じているかのようだ。
もっと時間をかけるべきではなかったか。県教委と同窓会が手話を通じてやりとりする様子は、障害に対する理解を深め、差別や偏見をなくすきっかけになったに違いない。
今年は障害者差別解消法が施行された年でもある。(福島総局長 安野賢吾)
2016年12月24日土曜日