2009年10月に島根県立大1年の平岡都さん(当時19)が行方不明となり、広島県の山中で切断された遺体が見つかった事件で、遺体発見後に交通事故で死亡した当時30代の男が事件に関与した疑いがあることが、17日までの捜査関係者への取材で分かった。
島根・広島両県警合同捜査本部は容疑者死亡のまま殺人容疑などで書類送検する方針。行方不明から7年が経過し、事件は重大局面を迎えた。
捜査関係者によると、男の周囲から行方不明後の平岡さんを写したとみられる画像データが見つかった。男は当時、島根県益田市に住んでいた。合同捜査本部は男が殺人などに関与したとみて詰めの捜査を進める。
合同捜査本部によると、平岡さんは09年10月26日夜、島根県浜田市内のアルバイト先のショッピングセンターを出た後、行方不明になり、11月に広島県北広島町の臥竜山で切断された頭部や胴体などが見つかった。
司法解剖の結果、死亡したのは行方不明になった10月26日から5日以内とみられる。平岡さんの顔に複数の殴打痕、首には指の圧迫痕があり、胴体に死後切りつけられた傷や火を付けられた形跡もあった。死因は特定できなかった。
発生当初に捜索した大学付近の側溝で、平岡さんのものとされる靴が後日見つかるなど、初動捜査の不手際が指摘されていた。
10年2月以降は公的懸賞金制度の適用対象になったが、12年に死体損壊・遺棄容疑の公訴時効が成立した。〔共同〕