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 長期間にわたって無事故で運転した場合に支払われてきた賞金が一方的に廃止されたのは労働契約法に違反するとして、トラック運転手2人が勤務先の運送会社「川崎陸送」(東京都)に支払いを求めた訴訟で、東京地裁(知野明裁判官)は26日、「労働条件の不利益変更にあたる」として、計85万円の支払いを同社に命じる判決を言い渡した。

 判決によると、同社は「25年無事故なら最大50万円」などと、無事故の年数に応じて運転手に賞金を支払う制度を設けていたが、2013年7月の取締役会でこの制度を廃止した。判決は「表彰制度は計算方法や副賞の金額など詳細な規定があり、賃金やそれに準じる労働条件にあたる」と指摘。「労働者と合意なく不利益に労働条件を変更できない」とする労働契約法が適用されると判断した。(塩入彩)