2014年に女の子を出産し、その後もモデルとしてファッション誌などで活躍を続けるEMIさん。仕事との両立で忙しく過ごすなか、インスタグラムなどではその育児風景が話題になるほど、日々の子育てを楽しんでいます。前回に続き、そんなEMIさん流の子育てについておうかがいしつつ、仕事への意識やファッション、メイクなど、産後の変化についてもじっくりお話をお聞きしました。
24時間いっしょにいるのが自然。ひとりでいると不安になります
フォロワー数5万人を超えるEMIさんのインスタグラムに登場するのは、ごくふつうの家族の風景。その数々の投稿から、EMIさんがしっかり子育てに向き合っている様子がうかがえます。お仕事のとき、一時的に託児所へ預けることはあっても、基本的には24時間ずっといっしょ。「たまにはひとりになりたい!」なんて思うことはないのでしょうか。
「ぶっちゃけていうと、毎日ずっと一緒にいても、息が詰まったり、ひとりになりたいって思ったことはないんです。それよりもむしろ、ひとりでいるほうが不安になるくらい。昨日もパパに娘を預けて仕事をしたのですが、まず荷物の少なさに不安になり、駅までひとりで歩いているのも何か物足りない感じで。ふと『ちゃんとついてきてる?』って振り返ってしまいました(笑)」
この日の取材は娘さんとの撮影をお願いしていたので2才になるお子さんと、雪だったためご主人も仲良く同行。ママが大好きな娘さんは、片時もEMIさんから離れず終始ピタッ。取材時間が長くなり、だんだん疲れが出てきたときは、「ママ!ママ!」とグズグズしてしまうことがあったものの、そんなときもEMIさんは慌てることなく、おだやかに対応。抱っこしながらあっという間に寝かしつけてしまったほどです。初めての子育てとは思えないほどの、その「安定感」はどこから生まれるの?
「私の兄には子どもが4人いて、おいっこ・めいっこがたくさんいる環境に慣れていたのが大きいのかもしれません。4人の子育ては本当に大変だと思うけれど、お義姉さんはいい意味で『適当』。必要以上にのめりこんでしまったら、きっとうまくいかないだろうなって、身近で感じていました。兄の家族が育児のお手本となっているから、私もいい具合に手を抜けるのかなって思います」
育児ネタは徹底調査が基本! 自分の子どもに合うかどうかが取捨選択の柱
お出かけが大好きなEMIさんファミリーは、これまでも国内はもちろん、親子での海外旅行も何度か経験済み! とくにトラブルもなく、大変な思いもしなかったといいますが、そこにはEMIさん生来の「オタク気質」がうまく効いているようです。
「私は何かを調べるのがもともと好きで、それについてはパパよりも得意。オタク気質に加えて心配性だから、旅行のときは1から10どころか、15くらいまで調べないと気がすまないし、荷物も徹底的に準備します(笑)。「あれがあれば」「これさえしておけば」と後悔するのが一番イヤ。たとえば長時間のフライトのときは、機内で寝られるように、お昼寝の時間をふだんから調整したり、通常用意する育児グッズのほかに、娘のお気に入りアイテム、あとはふだんあまり登場しない、変わり種アイテムなんかも用意します」
数々のオリジナルテクが功を奏し、これまでに機内でグズったことは一度もないのだとか。ポイントは「子どもの性格を考えてプランを練る」こと。そしてそれは、ふだんの育児においても同様のようです。
「育児法やグッズひとつにしても、いいと言われていても、必ず自分の目で確かめるようにします。一般的な評判があまりよくないものでも、もしかしたらうちの娘には合っているかもしれないですし、そのあたりは臨機応変にひとつひとつ選んでいます」
産後は、すべての仕事がより大切だと感じるように
産後は、仕事に対する意識が変化したというEMIさん。これまでは、撮影のときも親子いっしょが多かったけれど、最近は託児所へ預けることも増えたのだとか。
「最近になって、やっと仕事のときに預けるようになりました。娘が一番大切だから、現場に連れてきたりもしたけれど、私と少しでも離れると『イヤーッ!』となってしまうし、それは娘にとっていいことじゃないのかな、って思い始めたんです。先日、一時預かりを利用したとき、帰ってきて夜ごはんをいつもよりいっぱい食べたんです。きっとお友だちにすごく影響されたのかな。同じくらいのお友だちと関わるのは、娘にとって大切なんだなって改めて感じたんです。
私自身も、産後は仕事の大切さをより感じるようになり、ひとつひとつの仕事に対して、きちんと取り組むというか、向き合いたいと以前にも増して思うようになりました。だから仕事のときは娘を預かってもらって、その間は私も仕事に集中しようと。子どもが生まれると、産前と同じようなモチベーションで仕事ができないときもあるけれど、モデルとしての仕事はきちんとして、育児とも両立できればなって思っています」
「母親」の姿にその家庭の様子が見てとれる。だからメイクも最低限は必要
赤ちゃんが生まれたのを機に、ファッションやメイクが変わったというママは多いもの。以前よりナチュラルメイク&大人カジュアルが魅力のEMIさんですが、ご自身の中で最近変化があったのだとか。そのきっかけは「母」としての心構えからでした。
「妊娠前も今も、派手な色物や柄物は苦手で、服はいたってはシンプル。産後しばらくは、子どもに引っ張られるからニットを封印したり、あまりにも長いスカートやワンピを避けたり、そういう変化はあったけれど、基本的なスタイルは変わっていないと思います。ただメイクに関してはちょっとした変化があって、昔は『眉毛を描かなくてもいいや』『すっぴんで出かけちゃお』ということもあったけれど、子どもが大きくなるにつれ「メイクしないと出かけちゃだめだな」って思うように(笑)。年齢的なものもあるけれど、娘のためにもきちんとしなきゃなって。いろいろなママさんを見ていると、身なりがきちんとしている人って、子育てもしっかりしていそうだし、生活もちゃんとしているんだろうな、って感じませんか? その家庭の生活がママを通して見えてくるというか。だからメイクくらいはナチュラルであろうとも、しようかなって思います。こんな変化からも、家族の存在ってすごく大きいんだなって実感しています」
EMIさん
「non-no」の専属モデルをへて、「mina」「Soup.」「SEDA」など数々のファッション誌にて活躍。2014年夏に女の子を出産。現在は育児とモデル業を両立し、「nina’s」「mamagirl」などの雑誌に出演、活動の場を広げている。ブログは1日35万アクセス、インスタグラムのフォロワーは5万人を超え、多くのママからも支持を受ける。
EMIさんオフィシャルブログ http://ameblo.jp/emi-idea/ 公式インスタグラム https://www.instagram.com/emi_idea/
撮影/松木潤(主婦の友社写真課) ヘア&メイク/MAKI(P-cott) 取材・文/長澤幸代