【コラム】世界レベルの技術力を誇る韓国、なぜEV開発が進まないのか

 EV技術で先行する米国は第2世代EVの開発を終えた。これまでに出された第1世代EVはフル充電時の走行可能距離が150-200キロほどだったが、第2世代は300-400キロに延びた。ゼネラルモーターズ(GM)とテスラ・モーターズは航続距離が300キロを超えるEVを3万ドル(約330万円)台で販売する予定だ。

 中国では政府が乗り出し、20年までにEV500万台を普及させ、世界のEV市場で中国製のシェアを70%まで引き上げるという目標を掲げた。EV世界最大手の比亜迪(BYD)に続き、百度、楽視網信息技術、騰訊控股など中国のIT企業までもがEV生産に加わっている。欧州では、ドイツのメルセデス・ベンツとフォルクスワーゲン(VW)がそれぞれ航続距離500キロ、600キロの第3世代EVを開発した。

 一方の韓国は、EV開発がなかなか進んでいない。現代自動車が航続距離191キロのEV「アイオニック」を出したものの、販売は低調だ。韓国はEV開発に有利な条件を備えている。中核部品となるバッテリー(LG化学)をはじめ、電子機器(サムスン電子)、完成車(現代・起亜自動車)などEVに必要な技術力は世界レベルだ。だが企業間の協力がうまくいっておらず、充電設備や補助金政策も十分ではない。韓国が「携帯電話大国」になれたのは政府が方向性を定め、通信会社と電子機器メーカーが協力したためだ。EV産業の発展には、こうした協力が欠かせない。

 だが最近は国政の混乱により、経済をはじめ全ての分野で政策が停滞してしまっている。早く混乱が収まり、EVなど将来有望な産業が時機を逸することなく発展していけるよう願っている。

キム・ジョンホ=チョソンビズ・ウィビ経営研究所長
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】世界レベルの技術力を誇る韓国、なぜEV開発が進まないのか

right

関連ニュース