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【ビジネス解読】
トランプ相場、米利上げ、大統領弾劾…韓国経済は「三重苦」で青息吐息
ところが、トランプ氏は米韓自由貿易協定(FTA)を「(米国の雇用を)破壊している」と批判。再交渉を要求しており、韓国企業の業績には悪材料となる。
11月10日付の中央日報日本語版は社説で「わいせつな言動と毒舌、奇行を繰り返したトランプ氏が合衆国の最高指導者に選出されたのは『ブレグジット(英国の欧州連合離脱)』とは比較にならない大事件」と報じた。その上で、「米国優先主義」を唱えるトランプ氏の当選と韓国政局の混乱は「内憂外患」と懸念を示した。
大統領弾劾で「政経」大混乱
朴大統領の友人である崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入疑惑で政局は混迷。韓国国会は12月上旬、ついに朴大統領の弾劾訴追案を可決した。これに対し、朴大統領は憲法裁判所に提出した答弁書を同国メディアに公表。「弾劾案に記載された憲法・法律違反はすべて事実ではない」と批判した。政局は“泥沼化”しており、2000年代初頭のような大規模な経済対策は望めなくなった。
日本総合研究所の向山英彦上席主任研究員は「政治の混乱が長引いたり、朴大統領が退陣したりする事態になれば、企業の間で政策が変わるリスクに備えた様子見ムードが高まり、設備投資が抑制されることが考えられる」と分析する。