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【ビジネス解読】
トランプ相場、米利上げ、大統領弾劾…韓国経済は「三重苦」で青息吐息
米大統領選でのトランプ氏の勝利後、日米中の株式市場が沸き立つ中、韓国の株式市場は伸び悩んだ。トランプ氏の保護貿易主義は、「輸出産業中心の韓国経済には悪影響」と投資家に見透かされたからだ。また、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追案可決は景気をさらに冷やしかねない。そこに米利上げショックが襲いかかったのだ。金利が上昇すれば韓国の家計債務は一気に膨れ、消費は低迷してしまう。韓国経済はかつてない苦境に立たされている。
トランプ相場の恩恵「ゼロ」!?
トランプ氏の減税や公共事業拡大策で米国景気が拡大するとの見方から、米長期金利は上昇。安全資産とされる国債から株式などリスク資産へとマネーが流れた。
米株高を好感して日本の株価も一気に上昇し、日経平均株価は大統領選前の1万7000円台からわかず10日間程度で1万8000円を突破した。
これに対し、韓国株は10月まで9カ月連続で外国人が買い越していたが、11月のトランプ氏勝利後は売り越しに転じた。トランプ氏当選で世界情勢が不透明になり、新興国から投資マネーを引き揚げる動きに韓国も巻き込まれたのだ。
内需の小さい韓国は輸出で経済を支えている。2014年の国内総生産(GDP)1兆4100億ドル(約170兆円)のうち輸出依存度は約4割と極めて高く、韓国にとって、米国は中国に次ぐ第2の輸出先だ。自動車や無線通信機器などが主な輸出品目とみられる。