小川尭洋
2016年12月26日01時50分
「ブレーキを踏んだのに車が止まらなかった」――。アクセルペダルとの踏み間違いが原因とみられる事故が後を絶たない。なぜ、繰り返されるのか。
中部地方で2015年、複数の死傷者が出る暴走事故を起こしてしまった60代の男性は、その瞬間をはっきりと思い出せないという。
男性によると、仕事からの帰り道、右折すればあと10分で自宅に着くという交差点で減速しようとペダルに足をかけた。「おかしい。止まらない」。慌ててさらにペダルを踏みこむ。逆にエンジンはうなり、周りの景色はどんどん流れていった。「ガシャーン」。気づくと、別の車にぶつかって止まっていた。
後で警察から聞かされて分かったことだが、暴走した車は交差点をそのまま通過。数百メートル先の丁字路を曲がりきれず、正面の建物に突っ込んだ。男性は「あの時、踏んでいたペダルがアクセルだったと考えないと、つじつまが合わない」と今は思う。
4年前、商業施設屋上の駐車場で柵を突き破り、車ごと転落した女性(69)は「足がこわばり、ペダルをうまく踏み替えられなかった」と振り返る。路面の段差を越えようとアクセルを強めに踏んだところ、車に勢いがつきすぎ、パニックに。とっさにブレーキを踏もうとしたが、「アクセルから足が離れなかった」。
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