KAISTが開発したセキュリティー用メモリー素子。本来はマイクロ単位の大きさだが実験のために縦横縦1.5センチに作った。(写真提供=KAIST) |
情報を保存するメモリー素子の従来の機能は保存された情報を安定的に永く維持することだ。一般的にデータが保存されれば10年は維持される。だが、最近モノのインターネット(IoT)時代に入り、いつどこででも情報を簡単に共有できるようになり、情報流出を基本的に遮断できるセキュリティー用半導体も必要とされるようになった。このため、最近水に溶けるメモリー素子や火に簡単に燃える紙基板素子などに対する研究が先を争うようにして行われてる。だが、従来のメモリー素子はなくすために水に溶かす時間が非常にかかるか、火に燃やすための点火装置などが必要だという問題点があった。
チェ教授研究チームはこの問題を解決するため、水にいち早く反応する紙石鹸基板の上にメモリー素子を製作して水に溶ける時間を数秒内に短縮することに成功した。紙石鹸基板上の回路はインクジェット印刷技法でナノメートル級の微細な銀粉を散らす方法を使った。
チェ教授チームの第1弟子である博士過程のペ・ハギョル研究員は「この技術は既存シリコン基板技術に比べて10分の1ほどの低費用で製作可能」とし「少量の水で素早く廃棄でき、今後セキュリティー用素子に応用が可能だと考える」と話した。現在は実験室内での成功にとどまっているが、市場性があるなら数年以内に商用化も可能な見通しだ。今回の研究はネイチャー姉妹紙『Scientific Reports』12月6日付電子版に掲載された。