【マンガ】第11話 フリーランスのススメ(その3)~世界一のイラストレーション・スタジオを訪ねて~
『ライフハックで行こう!』、第11話です(第10話はこちら)。
シリーズでお送りしている、『フリーランスのススメ』編。今回は、憧れのイラストレーターのご自宅を訪問した際の話です――
オーテマティック・ハウスは(おそらく)世界一素敵なイラスト・スタジオ
2003年、僕は憧れだった鹿児島在住のイラストレーター大寺聡さんに運良くお会いすることができたわけですが(前話参照)、その後、なんと大寺さんのご自宅にも連れて行っていただきました。今回はその時のエピソードですが、とにかく大寺さんの家はすごいんです!
「オーテマティック・ハウス」と名付けられた大寺さんの個性的なお宅のことは、Webサイト等の写真を通して断片的に知っていたのですが、実際に訪れてみて、その度肝を抜くカッコよさに圧倒されました。マンガでの描写でどれだけお伝えできたかは分かりませんが、とにかく超かっこいいんです(それしか言えない……)!
家そのものも大寺さんがこだわってデザインし、また、そこに置かれているオブジェや照明、オーディオ機器等ひとつひとつにもこだわりが強烈に感じられ、オーテマティック・ハウスはある意味大寺さんがご自身の世界を具現化した空間だからこそ、ただオシャレでかっこいいだけでなく、特別な魅力を持っているんだと実感しました。それまで、僕は住居というのは建売住宅やアパート、マンション等、ある程度自分が既存の建築物に合わせて生活していくものだと思っていたので、このオーテマティック・ハウスでの体験は衝撃でした。
ちなみに、オーテマティック・ハウスは2006年に新しく「タイムトンネル」という名のスタジオが増築され、現在は今回のマンガで紹介した2003年当時の状態からさらに進化しています。僕自身が2011年に妻と再訪した際のブログに書いていますので、よろしければご覧ください。
「自分の生活をデザインする」ということ
また、僕はこの経験を通して大寺さんが家だけでなく、ご自身の生活環境全体も自分自身でデザインしていることにも感動し、強く影響を受けました。自分が住む場所を自分で選び、そこに理想的な家を建てて好きな人と生活をする。そして、東京のクライアントとも以前通りに仕事を継続しつつ、地域社会においても独自のネットワークを形成し貢献するライフスタイルは、それまで見た誰のものとも異なり、非常に魅力的でした。
僕自身もその後、今日に至るまで、独立・結婚・海外移住等、どん欲に自分の生活や人生を自分でデザインしてきましたが、この時の大寺さんとの出会いは、その原点とも言える経験なのです。そして、この「自分の生活(人生)をデザインすること」は、すなわち、このマンガのテーマでもある「ライフハック」に他ならず、本シリーズでフリーランスを勧めている理由でもあります。
「憧れること」の大切さ
この鹿児島の旅で最も大きな収穫は、「強烈な憧れ」に出会えたことだったと思います。大寺さんのライフスタイルに加え、見返りを求めずに「次の世代に与えてほしい」というPay it forward精神に触れ、確実に僕がそれまで出会ってきた大人たちの中で最も憧れる存在であると確信し、僕も大寺さんのようになりたいと思いました。そして、その「強烈な憧れ」によって僕のフリーランスになる決意は固まりました。うまくいかない可能性も依然としてありましたが、「何もトライしない人生よりも、たとえ失敗したとしても、憧れを実現するためにトライする方がずっと価値がある」と思えたからです。なので僕は、若い人から「フリーランスになりたい」とか「イラストレーターになりたい」と相談を受けると、必ず「具体的に自分が強く憧れられる人を見つけると良い」とアドバイスすることにしています。その憧れが強ければ強いほど、高いモチベーションを得ることができるからです。
次回は、大寺さんに憧れてフリーランス・イラストレーターになる決心をした僕が、実際に会社を辞め、フリーランスになったばかりの頃のエピソードをお送りします。お楽しみに!
次回の第12話は1月16日月曜日更新予定です!