【ソウル=共同】韓国の週刊誌「時事ジャーナル」は25日までに、次期大統領選の有力候補、潘基文・国連事務総長が、韓国閣僚在任中の2005年と事務総長就任直後の07年に韓国の実業家から計23万ドル(約2700万円)の裏金を受け取った、との実業家の知人の話を報じた。潘氏と実業家の双方は同誌に否定したが、今後の大統領選を巡る情勢に影響を与える可能性がある。
同誌は、実業家は09年に裏金提供を検察に供述したが、潘氏が国連事務総長職を追われ、韓国の国益を損ないかねないと判断した検察が隠蔽したとする実業家の当時の弁護人の証言も報じた。
実業家は靴製造・販売会社の朴淵次会長。08年に発覚した韓国農協の証券会社買収を巡る盧武鉉政権(当時)周辺者への不正資金供与事件の中心人物で、脱税の罪などで有罪が確定し14年まで服役した。朴氏側から金を受け取ったとの容疑で調べを受けた盧氏は09年5月に自殺した。
時事ジャーナルは、外交通商相(現外相)だった潘氏が05年5月3日、ソウルの公邸でベトナム外相との夕食会を開いた際「ベトナム名誉総領事」として招かれていた朴氏から、会の直前に現金20万ドルを受け取ったと報じた。「朴氏に近い知人」が朴氏から聞いた話としている。
この知人は、朴氏は07年初頭にも国連本部があるニューヨークの飲食店社長を通じ、潘氏に3万ドルを提供したとも証言した。「捜査機関の幹部」も同誌に、潘氏が閣僚在任時に朴氏から金を受け取っていると話した。