産経ニュース

【中国空母、太平洋進出】2020年までの世界展開狙う 米軍排除へ実力アピール 「空母はオタクではない」現実化

ニュース 国際

記事詳細

更新

【中国空母、太平洋進出】
2020年までの世界展開狙う 米軍排除へ実力アピール 「空母はオタクではない」現実化

25日、海上自衛隊が撮影した沖縄周辺海域を航行する中国の空母「遼寧」(防衛省提供) 25日、海上自衛隊が撮影した沖縄周辺海域を航行する中国の空母「遼寧」(防衛省提供)

 【北京=西見由章】中国海軍の24日の発表によると、空母「遼寧」の艦隊は初の遠洋訓練のため西太平洋を目指している。空母の本格運用により軍事プレゼンスの拡大を誇示し、米軍を排除する「接近阻止・領域拒否」の能力強化をアピールする狙いがある。

 「空母は“(家に閉じ籠もる)オタク”ではない。軍港にとどまり続けることはない。将来必ず遠洋航海に出る」(楊宇軍・中国国防省報道官)。人民日報系の環球時報(電子版)は24日、2013年4月の楊氏のこの発言が「現実となるまでに3年を要した」と報じた。

 ウクライナから購入した遼寧は、装備を取り外した状態で引き渡されたため、蒸気タービンによる動力システムの修復が難航。現在も艦載機の殲(J)15は出力不足が指摘される上、遼寧にはカタパルト(射出機)がなく、搭載武器の重量も制限されている。

 パイロット不足も深刻で、今年4月には模擬着艦訓練中に操縦士が事故死。過度に訓練が強化されているとの指摘も根強い。

 にもかかわらず、中国海軍が性急に空母の運用開始を進めるのは、20年までに世界の各海域に空母を展開することを目標に掲げているためだ。大連で建造中の初の国産空母は来年初めにも進水する可能性が高く、上海でも別の国産空母が建造中とみられる。

続きを読む

このニュースの写真

  • 2020年までの世界展開狙う 米軍排除へ実力アピール 「空母はオタクではない」現実化

「ニュース」のランキング