【モスクワ杉尾直哉】ロシア国防省によると、中東シリアに向かっていた露軍所属のツポレフ154旅客機(搭乗者92人)が25日早朝、露南部ソチを離陸した直後に黒海に墜落した。国防省は「生存者がいる兆候はない」と述べており、搭乗者全員の生存が絶望視されている。ロシアメディアは「技術的問題」が原因との見方を伝えた。プーチン大統領はメドベージェフ首相に原因調査を命じた。
墜落機は、シリア空爆を実施する露空軍が駐屯しているシリア西部のフメイミム空軍基地に向かっていた。搭乗者には、現地で慰問公演を予定していた軍所属の音楽舞踊団や、露主要テレビ局の記者も含まれていた。報道によると、黒海では墜落機の破片や数人の遺体が見つかった。国防省などで搭乗者を捜索している。
墜落機は33年前に配備され、2014年12月に改修整備が行われた。モスクワを出発し、ソチで給油した後、シリアに向かった。ソチの空港から離陸後約2分で消息を絶った。天気は良好だったという。