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【相模原殺傷】後を絶たない安易な匿名 個人情報保護法を拡大解釈 千葉大集団暴行や鬼怒川水害でも

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【相模原殺傷】
後を絶たない安易な匿名 個人情報保護法を拡大解釈 千葉大集団暴行や鬼怒川水害でも

 相模原殺傷事件をめぐっては、神奈川県警が障害者への配慮などを理由に被害者の実名公表を拒んだことが問題視された。警察や行政が、十分な説明のないまま被害者などを非公表とするケースは後を絶たない。背景には平成17年の個人情報保護法の全面施行があるとみられ、安易な匿名化の広まりが懸念される。

 相模原殺傷事件では、神奈川県警が「いずれも遺族が希望していない」と死亡者の実名公表を拒否。報道各社が「発表は実名が原則」と県警に申し入れる事態に発展した。

 11月に発覚した千葉大医学部生らによる集団暴行事件では、千葉県警が「被害者の特定や二次被害につながる」などとして、当初は逮捕者の名前だけでなく、発生日時など一切の情報を伏せた。

 近年だけでも25年のアルジェリア人質事件、昨年9月の茨城県で鬼怒川が決壊した水害など、犠牲者や行方不明者の名前が当初公表されなかった事例は多い。いずれも当局側は遺族らへの配慮や個人情報保護を匿名の理由とし、その傾向は個人情報保護法の全面施行以降に目立っている。同法の「本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」との規定が拡大解釈され、「錦の御旗」のように扱われていることが、匿名化の流れを強めているとみられる。

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