こちらの記事の続きになります。
ゆっくりと振り向いたお母様は、ニッコリ笑ってこう言いました。
「ごめんね~怖がらせちゃった?」
私は緊張のあまり、震えて声も出ません。
すると彼女がタタタッと駆け寄ってきて、笑いながらこう言いました。
「もうっ!ビビリすぎだよ~?」
怖い?ビビる?そういう問題の話なのでしょうか?
呆然とした私は、掴んでいた手をパッ離して
「すいません・・・」と、言って謝りました。
(ええっと・・どういう事だっけ・・・・?)
私は混乱して状況がわからなくなっていました。
そこで、私はヤッくんの事を思い出します。
ヤッくん!ヤッくんは無事だろうか?
私は急いでヤッくんに駆け寄り、声をかけます
「ヤッくん大丈夫・・・?」
私がそう声をかけると
ヤッくんはパッと顔をあげて
歯を見せてニッコリと笑いました。
それはまるで
ドッキリでしたーー!
とでも言っているような・・・。

(いやいやいや・・・・・)
ヤッくんの顔はボコボコのボロボロです。
鼻は真っ赤でどうにかなっているように見えるのですが・・。
折れてはいないのだろうか?
すると、ヤッくんに向かって
お母様が吐き捨てるようにこう言いました。
「別れたければ、いつでも別れてやるからね?」
ヤッくんは何も言わず、ただ床を見つめています。
恐らくこれは、私に向かって言った言葉でもあるのです。
お母様は「私は無理に引き止めているわけじゃない」
ここにいるのは、あくまでも「ヤッくんの意思だ!」
遠回しに、そう私に言っているのです。
しかし、それは卑怯ではないでしょうか・・・・。
ヤッくんに行く場所などありません!
家では暴力を振るうお父さんが待っているのですから・・・。
失踪した家族達の行方は?
以前に、彼女のお父さんは
「浮気して失踪した」と聞いていました。
しかし、あの暴力の現場で
お母様の「本性」を目の当たりにした私は
(お父さんは、お母様から逃げたのでは?)
と疑問に思うようになりました。
そして何より、
お兄さんやお姉さんはどこへ行ったのでしょうか?
彼女には
お兄さんが二人
お姉さんが一人いるハズです。
疑問に思った私は、彼女に兄弟の事を質問してみました。
そして、その答えを聞いて驚きました。
「兄弟の連絡先も、どこに行ったのかも全くわからない」
というのです。
そんな事がありえるのでしょうか?
そう思った私の空気を察したのか、
彼女が急いでフォローに周ります。
兄弟の連絡先を知らない理由を彼女は
お母様の教育方針が
「中学を卒業したら家を出て自立しろ!」
というモノだから・・・と説明してきました。
なるほど・・・しかし、そうだとしても
「連絡先もわからない」「住んでいる場所も知らない」
という話の説明にはなりません。
それに・・・・
それは「自立」ではなく「失踪」ではないか?
なぜ失踪したのか?
そして、その原因はお母様にあったのでは?
私の不信感はドンドン増していきました。
謎に包まれた彼女の人生
「中学を卒業したら自立しろ」という事は、
つまり
お母様の子供は全員「中卒」という事になります。
それはそれで、メリットとデメリットがあるのでしょうが・・・。
しかし、彼女に学校生活の話を聞いてみると
なんと「私は小学校なんていってないよ~」と言い出したのです。
(い、いや義務教育は?)
小さな新興宗教の立ち上げ
夫に逃げられ、お金に困っていたお母様は
娘である彼女を使った小さな新興宗教を立ち上げてお金を稼いでいました。
スピリチュアルセラピーみたいなヤツです。
説明されましたが支離滅裂でわけがわかりませんでした。
つまりそれが忙しくて、
彼女は「小学校」にも行っていなかったのです。
※話が長くなるので、これはまた別の機会にお話します。
この話を聞いて
あまりのメチャクチャ家庭事情に言葉をなくしてしまいました。
しかも彼女はそれを「誇らしげ」に語るのです。
この世界には多種多様な人がいます。
色んな生き方や価値観があっても良いでしょう。
しかし、それは私にとっては
受け入れ難い話ばかりでした。
そして話を聞けば聞くほど、
私はヤッくんの事が心配になっていました。

消えたヤッくん
結果的に・・・・・・
私がヤッくんの「心配」をする必要は全くありませんでした。
なぜなら、この直後にヤッくんは家を飛び出して
どこかへ行ってしまったからです。
お母様は相当ショックを受けて落ち込んでいました。
やはり、彼を愛する気持ちがあったのでしょうか?
話によるとヤッくんは「モバゲー?」という
携帯ゲームを通じて出会った女性の所へ行ってしまったそうなのです。
携帯をイジっていたヤッくんを殴ったのには
そういう理由があったのか・・・・。
どうやらお母様はヤッくんがゲームを通じて浮気?
をしていた事を知っていたそうなのです。
焦り、嫉妬に狂ったお母様は
「彼を暴力で引きとめようとした」のです。
その話を聞いた私は頭が痛くなってきました・・・。
もう何がなんだか・・・・・。
しかし浮気がわかっていたのに
ナゼ彼の携帯を破壊するなり、
携帯を奪うなりしなかったのか?
これは私の憶測ですが、それは
「いつでも別れてやるからね!」
と言っていたお母様のプライドのせいだと思います。
結局、お母様がヤッくんに捨てられた形になったのですが・・・・。
私はなんだか考えるのもイヤになってきました。
ヤッくんは幼い頃から虐待を受けていた不憫な子でした
なのでモチロン同情の余地はあります。
しかし、
若く、仕方が無いとはいえ・・・・。
そうやって自分の「寄生」出来る「宿主」を探して
居場所を転々としていくヤッくんの生き方対して、
なんといいますか・・・
私は単純に好感が持てなかったのです。
それはお母さんに対しても同じです。
私は、二人に対して嫌悪感を感じていました。
結局
お母様が、暴力でヤッくんを従わせてオモチャにしていたのか?
それともヤッくんが、お母様を寄生先として利用していたのか?
もしくは・・・・・・・・・
いや私には・・・・よくわかりませんでした。
考えたくもありませんでした。
いつかヤッくんの前に
「正しい生き方」を教えてあげられる人が現れる事だけは願っています。
私にはそんなモノさっぱりわかりませんが・・・。
しかしながら
私に他人の心配をしている余裕なんてありません。
今度は私がこの家族との修羅場に立つ事になったからです。
完結編につづく