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人生を変えた怪しい道具
俺の名前は『尾崎俊一』。ちょっと俺の話を聞いてほしい。
まずは俺の特徴だ。まあ自分でいうのもなんだが成績はいい。40人中10位以下になったことはない。性格は友達に『ピエロ』と言われるくらい笑われ者だ。まあいい風にとらえれば素直で明るい性格、悪く言えば馬鹿で騙されやすい、恥をかきやすい...こんな感じだろうか。
体格は少し筋肉がついているくらい。まあ高校で部活はやっていないけど性格のせいで先輩にいびられ(可愛がられ)て筋トレの回数や外周の距離を増やされたせいなんだが。
髪の毛は当然黒、ワックスも付けていない(髪を痛めて将来ハゲないためだ)。眼鏡は掛けていない、裸眼でも遠くの景色がよく見える。現代社会ではちょっと珍しいかもしれない。
さて、そろそろ本題に入ろう。
俺は部活動に所属していない。というのはちょっと趣味があるからなんだ。その内容は『一人旅』。ちょっと遠くに行って綺麗な自然を眺めたりするのが本当に楽しい。これだけのためにアルバイトをしている。
それでなんだけど、俺はちょっと山の奥にある神社に足を運んだんだ。意外と足腰に来るものがあるけど、足を運んだ甲斐があったと思える神社だったよ。
その神社の鳥居をくぐって、参拝をして、大体周りの景色も楽しんだ。写真も何枚か撮った。十分満足したんだ。
さあ帰るか、そう思ってまた鳥居をくぐろうとしたとき。来たときはなかった屋台が一つ。ポツンと寂しげに営業していたんだ。俺がこの神社に行った日は行事があったわけじゃない。まあわざとそういう日を選んでいるんだけど。だから人が俺以外いない。そんな日に屋台を出すなんて...
俺は興味本位で屋台に近づいたんだ。するとそこにはいかにも怪しげな道具が1個、売られていたんだ。100円で。
「...いらっしゃい」
お店の人に話しかけられる。虚無僧ってわかるかな。服装というか容姿が完全にそれと一致していたんだ。声は男性の声だ。
「あのー、これってどういう道具なんですか?」
俺は100円で売られている道具を指さして尋ねた。ちょっと勇気が必要だった。
「...それは、人の心を読むことのできる道具」
「え、本当ですか?」
本当ですか?なんて聞きながらも俺はこの店を離れる方法を考えていた。これはパチモンだ。
「...今がお買い得。買うしかない」
意外とプッシュしてくるな。
俺は少し考えた。実は俺、神社に来たときはお守りを買って帰るんだ。なんとなく記念品として。でもこの神社にはお守りを売っている場所がない。代わりの記念品としてこれはありかもしれない。そんなことを考えていたんだ。
「...分かりました、買います」
俺は財布から百円玉を取り出して、お店の人に渡す。
「ありがとう。これでジュースが買える...」
「は?」
「いや、こっちの話。あなたいい買い物をした」
お店の人に道具を手渡される。うん、やっぱりおかしい人だ。
俺はそのお店から離れて、鳥居をくぐったあたりで振り返った。すると、もうそこには屋台はなかった。手元には人の心を読むことのできるらしい道具が残された。
その道具はただの真っ黒い四角い箱だ。ちょうどスマートフォンくらいの。でもちょっとごつごつしているな...突起とかあるし。でもこれでどうやって人の心を読むんだろう?
さて、俺は学校でそれを使うことにした。まあ親とかに使えばよかったんだけどさ。別に聞きたいことなんかないし。
朝のSHRが始まる前。友達に話しかける。
「おはよう」
「ああ、おはよう」
「朝ごはんはちゃんと食べたか?」
「ああ、ばっちりだ」
よし、朝ごはんの内容を言い当てよう。俺は何となく黒い箱を強く意識する。
...が、黒い箱は何も起こさない。特に頭に朝ごはんの内容が流れてくるわけじゃない。
やっぱりパチモンだ。俺はそれを鞄にしまう。
「朝は何を食べたんだ?」
「食パンとコーンスープ」
「普通だな。まあ俺も納豆ご飯だけど」
「なんだよ。そういえば昨日部活でさ」
そこからは普通に会話して1日が過ぎて行った。ここまでが俺の最後の普通の人生。
帰りのSHRが終わって掃除も終わった。俺は提出しなくちゃいけない課題を鞄にしまっていたんだ。
「じゃあな」
「おう」
挨拶をしながら鞄を整理する。もうクラスに残ったのは俺と女子が一人。
俺は鞄の整理をしていると、あることに気が付く。
「...?」
鞄の中が...明るい。俺はポケットを確認する。スマートフォンはポケットに入っている。
俺は光の正体を探す。すると、あるものが光っていた。
「...」
俺が100円で買ったあの道具だ。
随分とメカニックだな。神社で売られていたくせに。外見はトランシーバーを想像してほしい。画面の見方は横に長い長方形になるように、スマートフォンでいうところの全画面を見る感じだ。大きな画面の中には『5』と書かれた数字が画面の端にポツンと浮かんでいた。そして、画面の下には少しへこみがあって、ボタンが2つ。
もしかして、これを押しながら...
「...俺の朝ごはん」
俺が呟く。女子には聞こえていないことを祈る。
すると、画面に文字が浮かび上がってくる。
『納豆ご飯』
俺の人生が、変わり始めた。
投稿ペース...遅いです。1か月か2か月に1話くらい。
内容...一応ギャグとかコメディを目指します。少し恋愛も混ぜます。
文章量...とりあえず1話で1万は超えるつもりです。もっと多く書けるよう頑張ります。
こんにちは、こんばんは、たく侍です。
少し前に6作品ぐらい書きたいものがあると宣言したと思うのですが、それの第1作目ですね。
『なにもおこせない!?』ではできなかったコメディを描けたらと思っています。
それと、このような予告の場を作らせていただいたのは、少しでも自分にプレッシャーを掛けて投稿頻度をあげるためです。
あらすじに書いてある通りここでは作品の予告と目標の内容と投稿ペース、それと文章量を書いてあります。
この作品は1月下旬に投稿予定です。
それではまた次回お会いしましょう。
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