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綺麗は汚い 汚いは綺麗でいこう!
「さて、魔術の鍛錬を始めようか」
さっきまでバカップルのようにイチャコラしていた
「そうだね、何から始めるの?」
「アカシャはもう自分の魔力の流れを理解しているようだから特に難しいことはないだろう、ただイメージしてそれを魔力で形作ればいい」
火なら火が出るイメージすればいいのか?もっと難しいものだと思ったんだがな、詠唱とかさ
「なんか小難しいこと言いながら魔術使うのかと思ったよ」
「小難しいこと?詠唱のことか?詠唱しながらの方がイメージしやすいのは確かだが覚えたいか?ならば教えるよ」
ルダですら気合いだけで火を出してたからな、必要ないかな
「とりあえずイメージして出せなければ教えてもらうよ」
「アカシャなら問題ないよ、ルダもイメージだけでなんとかなったからな、そういえばルダはどうした?一緒に来なかったのか?」
チッ、二人の時間をあの猿に邪魔されてたまるか
「ルダならバナナを探しにいったんじゃないかな?」
「バナナ?この辺でか?なら危ないから探しにいこう!」
えー、ほっとけばいいのにー!
「ルダも魔術が使えるようになったがまだまだだ。この辺にモンスターが100%いないなんて言えないからな」
さっき迷った時にモンスターいたけど倒したからいなさそうだけどな
カマラが来たと思われる道中をたどる
うーん、やっぱ俺マジで迷ってたみたいだなw
すると先ほどルダと戯れた場所に到着した
アイツ、まだ気絶してやがるwプギャーw
「ルダ!モンスターにやられたのか?なんてことだ…」
真っ白になったルダを揺さぶるカマラ、ごめんそれ(ルダ)俺がやったんだ…
ふとルダがいた地面を見た、そこにはアカシャと書かれていた
「?!」
コイツ、いつの間にダイイングメッセージを!
俺はカマラに見られないように足でそれを消した
「アカシャ?どうかしたか?」
訝しむカマラ
「ナ、ナンデモナイヨー(棒)」
「うぅっ」
うへ、コイツ目を覚ましそう
「ルダ!大丈夫か!ルダ!」
「か、カマラお姉ちゃん…?私はどういう状況なの?」
なんやコイツ?こんな頭の良さそうなしゃべり方する奴だったかな?
「ルダ!何があったんだ?お前はここで倒れてたんだぞ!?」
「私がここで?うっ…頭が…」
頭をおさえるルダ
どうせまた新しい遊びでも考えたんだろう
「もういい!今は休め!アカシャ、村まで手伝ってくれ!」
「う、うん」
正直、俺には茶番にしか見えんがカマラが本気なら仕方ない
ルダの家に運び、その日は終わった。
次の日
朝ごはんを食べているとコンコンとドアを叩く音が聞こえた
「誰かしら?」
母さんがドアを開ける
「おはようございます。おばさん!」
誰かと思ったらルダだった、なんやコイツまだ遊びやってんのか?
唖然としている母さん
「おはようございます。おじさん、アカシャ!」ニッコリ笑顔 キラッ☆
うっ?!なんだこの汚れのない純真無垢な笑顔は!
「「「お、おはよう」」」
明らかにおかしいルダを見てカルバ一家は笑顔が引きつる
「もう!アカシャ、口の端にパンくずが…もうまだ子供なんだから♡」パクッと俺の口から取ったパンくずを自身で食べるルダ
いや、お前も子供だろ!とツッコミたいが明らかにルダはおかしい
「な、なぁルダちゃん大丈夫か?」
父さんも感じているのか聞いてくる
「わ、わかんない…」
正直怖い…カマラの所に連れていこう!
「ルダ!カマラ姉ちゃんの所に行こう!」「う、うん」
朝ごはんを手早く片付け、ルダを連れ家をでる
カマラの家に着いてドアをノックしてドアを開ける
「おばさん!カマラ姉ちゃんいる?」
「アカシャとルダかい、カマラなら部屋にいるよ?」
わかりましたと言い急ぎ早にカマラの部屋を目指す
「カマラ姉ちゃん〜入るよ〜」
「ん?アカシャか?いいぞー」
「カマラ姉ちゃん、コイツを見てくれ!」
ルダをカマラの前に立たせる
「ルダが変なんだ!」
「?」はてなマークを出すカマラ
「アカシャがおかしいんです!カマラお姉ちゃん!」聖女みたいな顔でカマラを見る
「!?…確かにおかしいな、ルダが」
気づいてくれたか…
「ええ!?そんな!?」
大げさに驚くルダ
俺達が知ってるルダはこんなまとな話し方をしないしこんな聖女然としていない
「昨日、頭でも打ったのかもしれん…」
昨日ルダにジャーマンスープレックスをかまし、後頭部に衝撃を与えたが…まさかこんなことになるとは…
「治るかな?これ…」
壊れたルダに視線をやる
「私、壊れていません!失礼よ!アカシャ!!」プンスカ
100%壊れてますわ、これ…
「さあ?さすがに私やリムさんでも無理な所だからなぁ、ルダの両親はなんと?」
さすがに自分の娘がおかしかったら気づくはずだ
「ルダ?おばさん達はなんか言ってた?」
「ん?別に?ただ普通に朝ご飯をお手伝いしようとしたらお母さんもお父さんも驚いて泣いていたけど…」
そりゃあ今まで猿だと思っていた、娘が人間になっていたら驚くわ
どうすればいいんだ…元々ルダが悪いとはいえ原因は間違いなく俺だろう
汚いルダ→綺麗なルダ
そうだ!もう一度同じ衝撃を与えれば戻るかも!
そうと決まったら善は急げだ!
綺麗なルダを連れカマラの家をでる
「アカシャ!どうしたんだ!」
「戻すんだよ!コイツを!」
はてなマークいっぱいの綺麗なルダの手を引く
「待ちなさい!」
ルダのおばさんが俺の前に立っていた
「おばさん?どうしたの?」
凄く嫌な予感がする
「その綺麗なルダをこちらに渡してもらえないかしら?」
「綺麗なルダ?おばさんどうしたんですか?!」
言っている意味がわからないのかカマラがおばさんに聞く
俺にはおばさんの言っていることがわかる…わかってしまう
「だってあなた達、その綺麗なルダをあの汚ったないルダに戻す気でしょう?させないわ!!」「えぇ!?」
やっぱり…だと思ったよ。おばさんの言っていることはクソだがその必死さも理解出来る…出来てしまう…
「おばさんの言っていることもわかるけど…でも!いやなんだ!!」←汚ったないルダを殺した罪悪感
「アカシャ君…いい子だから。その綺麗なルダをおばさんに渡して…ね?」
「わかるでしょ?」と言いながら詰め寄ってくる
カマラも事態がうまく飲み込めないのか動けないでいる
「みんな…みんな酷いわ!」
ダッと俺達から逃げるように駆けていくルダ
「逃がさないわ!私の綺麗なルダ!」
キャハハハッ☆っと物凄いスピードで駆けていくおばさん
ルダの身体能力の高さはおばさんからの遺伝みたいだな
「負けてられねぇー!」
俺も負けじと追いかける
「なんなんだ…汗」呆然とするカマラ
「クソッ!何処に行ったんだ!」
圧倒的なスピードで置いていかれた俺、闇雲に探しては駄目だろう
あれが行きそうな所を探してみよう
…
いつもおままごとをしている場所に来た
そこには綺麗なルダがしくしくと泣いていた
「ルダ!」
「アカシャ!こ、来ないで私はルダよ!汚ったないルダでも綺麗なルダでもない!」
「当たり前じゃないか!俺のルダは最初からキミだ!」スーパーイケメンタイム発動
「アカシャ!♡」ダキッ
感動して俺に抱きつくルダ。にたりと嗤う俺
俺はすかさずルダの後ろに回りこんでルダを抱きしめる
「アカシャ♡好き♡」
「俺も「今」のルダ好きだぜ?」
「え?今の?」
疑問を口にするルダ
「俺達って両想いだね?なら俺を助けてよ!」(罪悪感から)
「両想い!私達両想いなのね!アカシャを助けるわ、当然よ!」
俺と両想いと知って歓喜してるルダにばれないようにルダの腰に両腕を固定する
「助けてくれるんだね?ありがとう。じゃあ死んでくれ!俺のために!」
「死??えっ!?」
「オオオオオオオオオオッ!!」
無慈悲。驚愕するルダにジャーマンスープレックスをかます…ズドンッ!
「ヒッウッ!?!?」
声にならない悲鳴をあげる綺麗なルダ
ピクピクしているルダを見て俺の中で、汚ったないルダを殺した罪悪感がどんどん薄れていくのがわかる
「すまない。綺麗なルダ、キミとはまだ2、3時間の仲だから…」(ゲス顔)
汚ったないルダを殺した罪悪感より綺麗なルダを殺した罪悪感ははるかに薄かった、というかなかった(罪悪感自体)
どうやって起こすか…そうだ魔術で起そう!
そうと決めて、左腕に魔力を込める
そして手のひらから水を出すイメージ、魔力で水を形成していく
水の球体が手のひらに現れた
「ふーん、これに魔力を込めまくれば火力が上がる感じかな?」
水圧で石とか切るのを見たことがある、ああいうこともやり方次第で出来るだろう
とりあえず水をルダの顔にぶっかけた
「ブヒャッ!?なんじゃあ!なんじゃあ!」Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)ぇ?
あっ汚ったないルダだ。俺は満足して自宅に帰る
その途中、ルダのおばさんとすれ違った。その瞬間、俺はにたりとおばさんに嗤いかけた
はっとしたおばさんは猛スピードでルダのいる場所に駆けていく
…
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」
後ろからおばさんの悲鳴が聞こえた
…
カマラが王都に行くまで後一カ月…
ブクマも評価もとっても励みになります!誤字脱字多くて申し訳ありません。
見てくれて本当にありがとう。(ゝω・)vキャピッ☆
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