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断ち切られていこう!
エリオの裏切りによって俺は窮地に立たされていた
あの野郎…絶対俺とリムの行為を覗いてシコったに違いない
「あの…カマラ姉ちゃん?」
さっきから何やら無言なのが凄く怖い
「アカシャ…エリオットから聞いた話は本当か?」
「あの何を聞いたんでしょうか?…」ぷるぷる
「アカシャとリムさんがお風呂で身体を擦りあっていたと…本当なら本当と言ってくれ!」
「あの…その…ほ、本当の事ですぅ…」
ビクビク
「…」人ってこんなに無表情に変化する事が出来るんだな、さっきはあんなに必死な顔だったのに…
「あの〜?」
顔伏せ、泣いているのかと思い近づいてみた。何やらブツブツ言ってる
「これは夢だ、夢だ、夢だ、夢だ夢夢夢夢夢夢…私のアカシャがそんな、私以外と淫らな事をする訳がない、ないじゃないか。ははは、ないない。だって?あのアカシャだぞ?ないないないないないないないない…ありえない!!」ニッコリ
さっきまで無表情で伏せていた顔をバッと上げ、その顔は満面の笑みだった
「!?」ビクッとする
怖すぎワロエナイ…ブワッ
「なんだ!夢かぁ!」ニッコリ
カマラ姉ちゃんェ…うぅっ
「アカシャ、何で泣いてるんだ?誰かにイジメられたのか?誰だ!私のアカシャをイジメた奴は!」
「カマラ姉ちゃん…ごめっ…ごめんなさい!うぅっ…ごめんなさい!」
あまりの恐怖にマジ泣きする俺
「アカシャ?…アカシャ…うぅっ…ごめっうぅ…」ブワッ
自分が泣かせてしまった事に気づいたのかカマラも泣く
「私はアカシャに捨てるんだぁ、ヒック…もうアカシャと遊んだり、ヒック…アカシャを抱きしめたりなでなでしたりできないぃ…ヒック…いやだよぉ!」ブワッ
俺は唖然とした。普段あれだけクールで理知的なカマラがマジ泣きしてる
泣かせたのは俺だ…
「カマラ姉ちゃん、ごめん。俺が悪いのに泣いちゃって」
言いながらカマラを抱きしめた
「私が悪いからリムさんとその…そういう事をしたんだよな?私がつまらない女だから…」
「そんな事、ある訳ない!カマラ姉ちゃんの事大好きだ!」
「じゃあ何故リムさんとそういう事をしたんだ!!私に魅力が足りないからだろう!?」
「カマラ姉ちゃんもリムさんもどっちも好きでどっちも大切にしたい…でもどっちが好きか?って言われたらカマラ姉ちゃんの方が好き…」
最低すぎるな俺…リムの事は元々、性的に見てたし誘われて凄い嬉しかった
今だって誘われたら行くと思う、リムとの行為でリムの事をよく知ったからもっと知りたいと思った
「私じゃないと駄目と言ったじゃないか!」
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
「そうか。もう帰ってくれ!もうアカシャの顔を見たくない!!」
「ごめんなさい。カマラ姉ちゃん…」
…
泣きながら家に帰る
「ゔぅっふられた。絶対ふられたぁ…」
俺が悪いとはいえカマラなら許してくれると思った
あと二カ月でカマラは王都に行ってしまうのに
泣きながら家に帰って両親に心配されたが、嫌われたくない為言えず適当に誤魔化した
俺って本当、最低のクソ野郎だよ!
次の日
朝ご飯をぼーっとしながら眺めてる
正直、食欲がない
「アカシャ?食欲ないの?身体の調子が悪いの?」
中々、ご飯を食べない俺を見て心配してる母さん
「ごめん、母さん。お腹空いてない…」
「大丈夫かアカシャ?今日は部屋でゆっくり寝てろ、いいな?」
「うん、ごめん父さん。」
なんもやる気が起きない
今日は部屋で寝てよ。どうせカマラには会えないし
「アーカシャー君、あーそびましょー!」(^○^)
ルダかうるさいなぁ、魔術の訓練は一人で行ってくれ!
「ごめんなさいね?アカシャ今日は調子が悪いみたいで」
「アカシャ病気?だいじょうび?」
(-_-)
アイツも人を心配するんだな、褒めてやりたいが今は一人にしてくれ
ごめん。
…
次の日
俺は風邪をひいてしまった
病は気からと言うがこれは罰なんだと思う
しかし治ったら魔術どうしよう、今俺は空の魔術しか知らない
それ以外を教わるはずだったカマラからは顔を見たくないと言われてしまった
まさかリムさんから教わる訳にもいかんし
今まで通り、眠った魔力回路の接続作業をする以外ない
「アカシャー?リムに来てもらったわよ」
え?正直、あまり会いたくない。
でもそうか俺が骨折した時、リムが診てくれたからもんな。医者的な事もしてるのか
「アカシャ君〜?大丈夫〜?」
「うん…」
「元気が〜ないね〜?あの夜みたいに〜元気出して〜」
グッ、言葉が胸に突き刺さる音が聞こえる
「クラ〜二人っきりにしてもらえな〜い?」
「わかったわ、リムお願いね?」
母さんが部屋から出ていく
「ふぅ。話はエリオットから聞いてる、すまないなうちの愚息が迷惑をかけて」
「い、いえ、元々自分が悪いので」
「うーん、カマラなら問題ないと思ったのだがなぁ。おそらく意固地になってるだけだろう」
「だといいんですが…」
その日、リム特製の風邪薬を飲んで寝た
風邪薬が効いたのか翌日には身体の調子はよくなっていた
そのまま…一週間が過ぎてもカマラとは仲直りできず偶然すれ違っても目も合わせてもらえず泣きそうになった
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