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説得していこう!その3
君たちは…私のスピードに…ニヤリ
-= ∧_∧
-=と(´・ω・`) シュタッ
-=/ と_ノ
-=_//⌒ソ
ルダの一言で場が凍った
あれほどガヤガヤとしていたのに今は沈黙しかない
「駄目よ。絶対に!」
最初に沈黙を破ったのは母だった
それに追従する様に父も発言した
「そうだ。それは駄目だ!」
こうなる事はわかってたが正直、本当に無理そうな雰囲気だ
「何故というのもあれですが、最初の予定では参加させる話だったではないですか?」
カマラは難しい顔をしていた
「あの時と今では違う!現に一匹のゴブリンと戦っただけでアカシャは左腕を折られたんだぞ?数匹のゴブリンと戦ったらどうなるか…」
父のクータスタはその情景を思い浮かべたのだろう。ブルッと体を震わせた
皮肉にもゴブリンをきっかけに俺たちカルバ家は家族の絆を深めたのだ
「お気持ちもわかりますが、お二人共知っての通り私は王都に行きます、私がいなくなればリムさん一人でモンスターを排除しなければいけません」
正直、あの時ゴブリンに左腕をやられたのはただの油断だったしヴァイシュラヴァナの存在を忘れてたのが大きい、
最初に対峙した時にヴァイシュラヴァナを展開していたら結果は違っていただろう
「王都のギルドに依頼すればいい、他の村ではそれが普通だ!」
「そうよ!リムだってエリオット君がいるのよ?そんな危険なこともうやめるべきよ!」
「そんなことはわかってます。ただ誰かが王都に行く間にモンスターの被害が出る可能性は高いでしょう、他の村ではそれが多いと聞きますし、依頼している間に村が全滅って事もあったそうです。そんな事がある可能性があるので魔術や戦闘の心得がある私やリムさんが対処することになったのです」
確かにモンスターの動きが完全に予想できるものじゃない
現に俺たちは襲われてるわけだし
ギルドに依頼するのもいいが村で自衛した方が金銭的にもいいし、何かあれば村でモンスターを対処出来る人間がいた方がいいに決まってる
「わかっている…わかっているけど…」
本当は理解しているはずだ、ただ自分の息子がそれに対処するのが許せないだけで
「最初に参加させることを許したのは私達の考えが甘かったから…今回アカシャは左腕を折られただけですんだ、でも次は違うかもしれない、今まであなた達に危険な事を押し付けて来た事は本当に申し訳ないって思ってる、けど…ごめんなさい」
母の悲愴な言葉でカマラやリムさんも何も言えない
俺自身考えが甘いのかもしれない
でも…
「俺は大丈夫だよ!母さん、父さん。俺はこの村の人達を守りたいんだ、大切だからね…なにも出来ないまま、モンスターに大切な人を傷つけられるなんて嫌なんだ!だからお願いします!!」
俺は誠心誠意頭を下げた
俺に視線が集まるのがわかる
「私からお願いします。明日は私の命に代えても彼を守ってみせます!彼に今後一人でも対処出来るぐらいの戦闘の心得を教え込みます!だからお願いします!」
カマラも頭を下げてくれた
「クラ、クータスタ。私にもエリオットがいる、二人の言いたい事はわかるがアカシャ君は才能豊かな子だ、子を愛してるからこそ、子の才能を閉ざすなんて事はしてはいけない…必ず後悔するからね」
真面目モードのリムさん
はぁとため息を漏らす両親
「わかったよ。アカシャが本当に望んでいるのなら止めるのは不可能だ…ただ覚えていてくれお前が死ねば深く悲しむ人達がいるって事を」
「忘れないでね?アカシャ…約束よ?」母さんの瞳が涙で濡れてる
俺を抱きしめてくれる、この人達の温もりを手放すものか…
「忘れないよ、絶対。約束する。」
この二人から感じる愛情。愛はあると確かに感じるから
…
食事が始まってみんなさっきとは違い、笑顔だ
俺はカマラやリムさんに小さな声で礼を言った
「カマラ姉ちゃん、リムさんありがとう」
「あの二人が過保護なのは仕方ない。お前には本来、兄か姉が居たんだ…お腹にいた時に流れてしまったがな」
その時の二人を思い出したのかリムさんは悲しそうに目を伏せた
そうか、流産したのか…俺の前世でも完全に流産は無くなったわけじゃない、
この世界じゃ流産する可能性は高いかもしれない…
今はいない兄か姉の分まで二人の愛情をしっかり受けとめよう、俺はそう心に決めた。
…
食事が終わり
「いやじゃ!いやじゃ!」
バタバタと床で手と足を振りイヤイヤをするルダ
なんでこんなことが起きてるのか?ゴブリン退治に自分も参加すると言ったが即座に却下されたからさ
ちなみにエリオもリムさんに却下された
「いやじゃ!いやじゃ!」
「さて、私達はもう帰ります。明日の事もありますし…汗」
おい、カマラ…この猿も連れていってくれるんだよな?
「え?そうね、夜も遅いし。おやすみなさい」『いやじゃ!いやじゃ!』
母さんはルダを見つめながら、当然この子も連れていってくれるわね?って視線を二人に送っている
「うん〜みんなおやすみなさ〜い」『いやじゃ!いや…ゴホッゴホッ』おっとりモードのリムさんはそのままエリオを連れてスタスタと帰っていった
「では、おやすみなさい。」
カマラもそれにならって帰ろうとする
おい、待てや!いや!待ってください!
「びゃだー!び…っゴホッあー」(白目)
父があげたバナナを喉にでも詰まらせたのか死にそうな顔で咳をしてるルダ
辛いならもうやめろやっ!!
「カマラ姉ちゃん?この猿連れていってくれるよね?」
「すまない、アカシャ…とても残念だが私は明日の準備をしなくてはいけないんだ(使命感)」ダッ!と素早く駆けて行った
なんて薄情な奴なんだ…(絶望)
「いや…もぐもぐ、いやじゃー(棒)もぐもぐ」バナナを両手に持ち泣きながらバタバタとしてるルダ
「さぁ、もう寝ましょ?今日は3人で一緒に」「ああ、そうだな!」「やったー♪」『いやじゃ…ぇ?』
カルバ家、特有の雰囲気を作りそのまま両親の愛情を感じながら眠りに就いた
…
「え?Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)ぇ?いやじゃーーーーーーーー!うわーーーん!ママーーーーー!!」ダッ!と駆ける音と声が遠くなるのを感じた
ついてこれるかな?
∧_∧ =-
(´・ω・`)`つ=- ザザッ
`つ \ =-
\,⌒\\,,,_=-
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