米 ロシア銀行幹部らを金融制裁 シリアのアサド政権支援が理由

米 ロシア銀行幹部らを金融制裁 シリアのアサド政権支援が理由
シリアの内戦をめぐってアサド大統領の退陣を求めるアメリカ政府は、アサド政権を支援しているとして新たにロシアの銀行の幹部やシリアの中央銀行総裁などを金融制裁の対象に指定したと発表しました。
アメリカ財務省は23日、シリアのアサド政権を支援しているとして、新たに18人の個人と5つの団体を金融制裁の対象に指定しました。制裁の対象となったのは、ロシアの銀行の幹部9人とシリアの中央銀行総裁や閣僚、それにシリアの航空会社や科学技術の分野でシリアを支援しているレバノンの会社などです。

こうした個人や団体は、アメリカ国内の資産が凍結され、金融取引が禁じられることになります。シリアの内戦をめぐってアサド政権は22日、最大の激戦地のアレッポ全域の制圧を宣言しましたが、アメリカ政府は、アサド政権が無差別に市民を殺りくしているとして非難し、アサド大統領の退陣を求める立場を維持しています。

アメリカ財務省は、「シリアの内戦の終結に向けた外交上の努力を支援するため、引き続きアサド政権への圧力を強化していく」としています。

プーチン大統領 アレッポ制圧で祝意

シリアの内戦で最大の激戦地だった北部のアレッポ全域を政府軍が制圧したことを受けて、ロシア大統領府は23日、プーチン大統領がアサド大統領と電話会談を行い、祝意を伝えたことを明らかにしました。

この中でプーチン大統領は、「この成功は、シリアでの国際テロとの戦いにおける団結によって可能になった」と述べたということで、アサド政権を支援したロシアやイランの役割を強調しました。そして、「今後の主な課題は、シリアでの和平実現に向けて前進するための問題に集中することだ」と述べ、ロシアが主導して内戦の終結を図る姿勢を示すとともに、アサド政権に対しても反政府勢力との対話に応じるよう求めたものと見られます。