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【サッカー】

川崎の中村憲剛が36歳最年長MVP

2016年12月21日 紙面から

MVPに選出され、スピーチする川崎の中村憲剛=横浜アリーナで(北田美和子撮影)

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 Jリーグは20日、横浜市内で年間表彰式「Jリーグ・アウオーズ」を開き、最優秀選手賞(MVP)には主将として川崎を引っ張り、年間3位に導いたMF中村憲剛(36)が史上最年長で受賞した。ベストイレブンには4年連続4度目のFC東京DF森重、年間優勝の鹿島からはDF昌子が初選出、年間2位の浦和からはGK西川、DF槙野、MF阿部、MF柏木の最多4人が選ばれた。最優秀ゴール賞は第1ステージ第13節の名古屋−鹿島で名古屋MF田口が決めたロングシュートとなった。

 36歳を迎えた川崎MF中村が史上最年長MVPに輝いた。2013年に35歳で受賞した横浜Mの中村俊輔というレジェンド超え。壇上に上がると大きく息を吹いた。「あー。ちょっと緊張しています。カズ(三浦知)さんがバルーンから出てきたMVPに選ばれたことを光栄に思います」。ファンタジスタが、ピッチ外で夢心地の表情を見せた。

 最年長受賞は式後の記者会見の質問で知り、「えっ。そうなんですか」と苦笑い。細身の体でも衰え知らずの司令塔は「身体能力も高くない。日々、自分と向き合ってコツコツやってきた。それが自分のプレースタイルになった。来年もちょっとずつアップデートできれば」とさらなる進化を見据えた。

 日本代表のハリルホジッチ監督も注目する。8月の代表発表時には「川崎の(当時)35歳」と名前は明かさなかったもののバックアップメンバーに指名。リーグ31試合に出場し、06年の自己最多10得点に次ぐ9得点を挙げた。また、10アシストでリーグトップ68得点の攻撃陣を操った。

 過去の日本人MVPは優勝か2位まで。年間3位での選出は、史上初だ。ただ、リーグ戦は年間3位。クラブワールドカップ(W杯)では、チャンピオンシップ準決勝で惜敗した鹿島が躍進して準優勝。「うらやましさと悔しさ半分半分で見ていた」と告白した。

 個人ではMVPを獲得したが、チームはいまだ無冠。Jの顔になった中村は「悔しさは残っているが、1年間優勝争いした経験がある。来年はタイトルを取れるよう先頭に立って頑張りたい。来年はチーム全員で(授賞式に)来たい」と晴れ舞台で念願の初タイトルを誓った。 (占部哲也)

◆香川、清武に勝て ハリル監督ハッパ

 アウオーズに出席した日本代表のハリルホジッチ監督も、MVPの中村に賛辞を贈った。「中村選手のMVPはふさわしいと思います。それだけのパフォーマンスをシーズンを通して見せていたと思います」とコメント。日本代表ではバックアップメンバーに選んでおり、中村本人にも直接、「あと少しのところまで来ているよ」と伝える一方、「ただ、あなたが代表に名を連ねるには香川、清武という選手たちに勝らなくてはいけない」とハッパをかけたという。

 <中村憲剛(なかむら・けんご)> 1980(昭和55)年10月31日生まれの36歳。東京都小平市出身。175センチ、66キロ。2003年に中大から当時J2の川崎に加入し、04年にはJ1昇格の原動力となる。06年にはMFながらJ1で10得点を記録。同年に日本代表に初選出され、10年ワールドカップ南アフリカ大会に出場。J1通算342試合49得点(J2通算75試合9得点)。国際Aマッチ68試合6得点。

 

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