人口19万人のアフリカ小国、台湾と断交…両岸外交戦始まる

人口19万人のアフリカ小国、台湾と断交…両岸外交戦始まる

2016年12月22日15時07分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
comment
0
share
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixi
  中国と台湾の外交戦争が始まった。しばらく静かだった両岸外交戦争に再び火をつけたのは「サントメ・プリンシペ」という名前のアフリカの国だ。サントメは修交19年目の台湾と外交関係を断絶すると20日(現地時間)発表した。台湾との断交は近く中国と国交を結ぶことを意味する。名前もあまり知られていない人口19万人の小さな国が台湾を捨てて中国を選択したことで、台湾の修交国は21カ国に減った。これを受け、台湾の修交国を自国側に引き込もうとする中国の台湾枯死作戦と国際的孤立から脱しようとする台湾の激しい攻防戦の兆しが表れている。

  台湾は衝撃を受けた。21日に沈痛な表情で記者会見を行った台湾の李大維外交部長は「国の尊厳を守るためにサントメと断交し、現地大使館と職員は直ちに撤収させ、すべての2国間協力事業を中止する」と明らかにした。また「我々は外交の原則に忠実に基づくだけであり、マネーゲームは望まない」という話もした。「サントメが断交通知の直前に天文学的な数字の金銭援助を要求してきた」とし「これを断ったのが断交の直接的な原因になったとみられる」という説明もした。台湾日刊紙の中国時報はサントメの要求額を2億1000万ドル(約250億円)と報じた。

  中国外務省はすぐに華春瑩報道官の名前で問答形式の論評をし、「サントメ政府が『一つの中国』原則という正しい軌道に戻ったことを歓迎する」と明らかにした。主要海外メディアの記者の携帯電話に論評の全文を送る異例の姿も見せた。中国国務院台湾事務弁公室の安峰山報道官も「中国は『一つの中国』原則を堅持し、台湾の独立に反対する立場は確固不動だ。国際社会の広範囲の認定と支持を受けるだろう」という声明を出した。

  サントメの断交決定はトランプ次期大統領の親台湾・反中国の動きと重なり、国際社会に波紋を起こしている。また台湾の蔡英文総統は、来月7日から予定されたニカラグアなど中南米修交国4カ国訪問の際に米国を経由する予定だが、中国は米国経由を承認しないよう米国に要求している。蔡総統が中国の圧力にもかかわらず「九二共識」(「一つの中国」が原則だが、解釈は各自がするという中国と台湾の1992年の合意)を認めない中、「一つの中国」原則を交渉カードとする可能性があることを示唆するトランプ氏の発言まで出てきたため、中国が「外交戦争カード」を取り出したのではという見方もある。

  修交国は69年、それぞれ44カ国、67カ国と、台湾が中国を上回っていたが、71年に台湾が国連から脱退し、66対54と逆転した。中国の絶対優勢で進行された両岸外交戦争は親中政策を標ぼうした国民党の馬英九政権が発足して落ち着いた。しかし昨年5月に台湾独立性向が強い民進党の蔡政権が発足した後、中国が外交戦争を再び起こすという見方が出ていた。8月には中国とバチカン(ローマ法王庁)の修交説が伝えられると、台湾に非常事態になった。カトリック信者の台湾の陳建仁副総統は9月、バチカンのマザー・テレサ列聖式に出席し、収拾に乗り出した。台湾修交国のうちパナマ・パラグアイなど10カ国がカトリック国であり、バチカンが中国と修交すれば台湾の孤立が加速する可能性が高いからだ。

  一方、チベット亡命政府指導者のダライ・ラマを招請したことで中国の全面的な報復措置に苦しんだモンゴルは中国の圧力にひざまずいた。モンゴルのムンフオルギル外相は20日、「ダライ・ラマは政府が招請したのではなく、今後も招請しない」とし「宗教チャンネルを通じても現政権はダライ・ラマのモンゴル入国を再許可しない」と明らかにした。ムンフオルギル外相は「モンゴルは中国・モンゴル関係正常化のための対話に努力していて、チベットは中国と不可分の一部であることを一貫して支持する」と認めた。
【今日の感想】この記事を読んで・・・
興味深い
悲しい
すっきり
腹立つ
役に立つ

今日のイチオシ記事