返還「重要な一歩」=オスプレイ事故に遺憾表明−日米同盟は世界最強・ケネディ大使

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 キャロライン・ケネディ駐日米大使は21日、東京都内の米大使館で時事通信と会見し、沖縄県の米軍北部訓練場返還について「沖縄における足跡(在日米軍専用施設面積)の2割を削減することになる。沖縄県民への影響を低減する重要な一歩」と意義を強調した。米海兵隊輸送機オスプレイの事故に関しては、「懸念を引き起こしたことを遺憾に思う。安全が最優先課題だ」と述べ、安全確保へ決意を示した。

 ケネディ氏は大使就任後、7回にわたり沖縄県を訪れ、22日に名護市で行われる北部訓練場返還式典にも出席する予定。今年4月に起きた米軍属による女性殺害事件などを振り返り「(沖縄県民にとって)非常に困難な年だった。沖縄県民の友情、協力には非常に感謝している」と訴えた。

 安倍晋三首相による今月末のハワイ真珠湾訪問について、ケネディ大使は「日米同盟の強さを明確に示すものであり、オバマ大統領と共に首相に同行するのを楽しみにしている」と歓迎した。さらに、首相の真珠湾訪問やオバマ大統領の広島訪問を「日米同盟を世界最強にした数十年にわたる友情、協力、信頼」がもたらした「歴史的瞬間」と評価した。

 在日米軍撤退の可能性を示唆したトランプ次期大統領就任後の日米関係を懸念する声が上がっていることに関しては「トランプ氏が(当選後)最初に会った外国首脳は安倍首相であり、次期政権もこれまで通り日米同盟を重視すると確信している」と語った。

 3年余りにわたった任期を終えて来年1月に帰国するケネディ大使は、オバマ政権を代表し「素晴らしい国」で働くことができ非常に幸運だったと強調した。